子供会解散、老人会が招待し多世代交流 つくばの住宅団地
茨城県つくば市南部の住宅団地、桜が丘の公園でこのほど「秋の収穫祭&2024交流会」が催され、幼児から90代まで多世代の団地住民約50人がゲームや食事などを楽しみながら交流を深めた。 同団地の老人会「桜寿会」(佐藤恵美子会長)が3年前から、団地の子供会「育成会」を招待して開催してきた。今年3月、子供の数が少なくなり育成会が解散。前の育成会役員を通して改めて子どもたちを招待した。 参加者はゲームやマジックを楽しんだり、近くの畑で収穫したサツマイモで作った石焼き芋や手作りの菓子を味わったり、ホットドックや卵サンドを食べながらおしゃべりを楽しんだ。 首都圏のベッドタウンとして造成され約450世帯が暮らす同団地は、団塊世代が多く住む。子どもの数は、団地が造成され入居が始まった1970年代後半や80年代前半が最も多く、200人以上の子どもたちがいたという。同自治会の落合正水会長(78)は「育成会の倉庫があって、キャンプの飯盒(はんごう)がたくさん残っている。臼(うす)やきねもあって、餅つきもしていた」と振り返る。 団地造成から40年以上経った今年3月、団地の小学生は10数人となり、育成会は解散に至った。育成会元役員の母親(44)は「コロナ禍で育成会の行事が数年間中止となったこと、(共働きなどで)育成会の役員のなり手がなかなかいないこと、育成会は自治会の下部組織だが自治会に加入しない若い世帯が増えたことなどがあった」とし、収穫祭の招待について「地域の方となかなかお会いする機会がないので、お招きいただき本当にありがたい」と話す。
公園の清掃や花壇整備も
収穫祭を主催した「桜寿会」は会員約30人、平均年齢は82歳で、日ごろ、団地内の公民館で毎月1回、交流会「笑和(しょうわ)の集い」を開き、市内で活動するフラダンスやオカリナ、合唱などの愛好団体を招いて演奏を披露してもらったり、講師を招いて頭の体操などを実施している。ほかに役員や運営委員など10人ほどが団地内の公園を月2回清掃したり、花を種から育ててバスターミナルの花壇に植えるなどしている。 収穫祭に向けては、事前に収穫したサツマイモを役員らが洗って干すなどしたほか、当日は役員の一人が朝5時30分から石焼き芋を準備し、午前8時からは約10人が集まって調理をしたり、会場の準備をして子供たちにふるまった。 佐藤会長(71)は「普段、高齢者と子供たちが集まる機会はなかなか持つことができないので、年に1度でも出来る限り続けていきたい」と言い、「ただ私が一番若く、回覧板で入会を募っても(桜寿会に)新しい人が入らないので、あと何年できるか」とも言う。