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Go Toキャンペーン、じつは国民の税金が「ドブ」に捨てられていた…!

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現代ビジネス

「Go Toキャンペーン」の大混乱、悪いのは誰だ…?

 旅行業界の苦境を救う目玉政策だったはずの「Go Toキャンペーン」が混乱しています。 【実名公開】役所があえて教えない、申請すれば「もらえるお金・戻ってくるお金」  1.7兆円という前例のない予算をかけ、国内旅行をする国民に半額相当を政府が肩代わりするという内容です。開始を当初予定の8月中旬よりも前倒しにして7月22日に開始すると発表したのですが、時を同じくして新型コロナウイルスの新規感染者数が第2波というべき急増を示し始め、各地の自治体首長から懸念の声が上がりました。  すると7月16日になって急遽、東京をキャンペーンから除外すると発表します。結果、キャンペーンから外れた東京関連で旅行のキャンセルが相次いだのですが、今度はそこで問題になったのがキャンセル料。政府は当初はキャンセル料まで補填するつもりはないと明言していましたが、ここでも世論に折れ、3割を補填する方針へと転換します。  この話は新型コロナの封じ込めを前提に考えれば当然に思えるかもしれません。むしろ東京を除外しても感染は首都圏近郊の他県や関西でも拡大しているので、東京除外だけでは生ぬるいと感じられる方も多いと思います。  一方で、東京を除外するということは1400万人の都民が他県に出かける旅行需要がキャンペーンの効果から外れてしまいます。キャンペーンの効果が薄れてしまうわけです。さらにいえば同じ税金を払っているにもかかわらず都民だけが恩恵を受けられないという受益者への不公平まで発生します。一言でいえば大混乱です。  今回の記事ではこの一連の政治判断について経済学と政治の両方の観点から評価してみたいと思います。

経済学的には「筋のいい」政策。しかし…

 そもそもなぜ政府がGO TOキャンペーンを行うことになったのか、その理由からお話しします。  新型コロナによって壊滅的な被害を受ける業界が大きくわけると5つあります。自動車、耐久消費財、旅行、飲食、イベントです。  もちろん他の業界もコロナの被害は被っているのですが、この5つの業界には他の業界にない共通の特徴があります。それは国民の収入が減少するとまっさきに節約される消費分野だということです。これを経済学では所得弾力性が大きいといいます。  その中でも旅行、飲食、イベントの3業種は中小零細企業が多いため、自動車業界で行われているような銀行のクレジットラインの維持といった大企業向けの支援策では対策として有効に機能しません。そこで政府による需要の喚起策が計画されたわけです。  実は旅行という商品には所得弾力性が大きい以外にもうひとつ価格弾力性も大きいという特徴があります。ひらたくいえば価格が下がれば需要はその3倍ぐらいのペースで増える傾向があるのです。その特性を利用して旅行代金の半分を政府が持つことで、旅行需要を大幅に増やそうという政策が立案されました。これがGo Toトラベルキャンペーンです。  Go Toキャンペーンに税金を1.7兆円投入すると聞いて驚く人も多いのですが、これは経済学的には筋の良い政策です。というのは1.7兆円の旅行代金の補填でおそらく5兆円ぐらいの旅行需要が創出されるわけです。  さらにそれで潤った旅館、土産物屋、地元の飲食店、旅行会社などの法人やその従業員がお金を使うという乗数効果までを考えると12兆円ぐらいはGDPが増えるはずです。これはコロナで不況になった日本においてはかなりの需要創出になります。

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