ロシアがウクライナ電力システムを再び攻撃、厳寒のなか停電広がる
(ブルームバーグ): ロシアが13日、ウクライナ西部に対して大規模な攻撃を仕掛けた。戦争開始以降最大級の電力インフラへの攻撃だったと、ウクライナ当局は説明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領がソーシャルメディアのテレグラムで明らかにしたところによると、ロシアは約200機のドローン(軍用無人機)と90発余りのミサイルを発射した。ミサイルの少なくとも一発は北朝鮮製だという。ウクライナはこのうち81発のミサイルを迎撃したと、ゼレンスキー氏は記した。
この攻撃でウクライナは原子炉9基のうち5基で出力の低下を強いられたと、国際原子力機関(IAEA)が発表した。
ロシア国防省は、今回の攻撃はウクライナが11日、米国製長距離地対地ミサイル「ATACMS」6発でロシア・ロストフ州の軍用飛行場を攻撃したことに対する報復だと主張した。
ロシアは3年近くに及ぶ戦争でウクライナの国家としての機能を失わせようと、同国のエネルギーインフラに対する攻撃を繰り返している。こうした攻撃を始めたのは2022年の秋からで、ウクライナが長距離ミサイルの供与を受けるかなり前に当たる。
ウクライナ空軍によると、攻撃が集中したのはテルノーピリ、リビウ、イワノフランキウシク、ザカルパチアの西部諸州で、極超音速弾道ミサイル「キンジャール」も使用された。隣国のポーランドも、攻撃への対応として戦闘機を緊急発進させた。
これで今年に入りウクライナのエネルギーインフラが攻撃を受けたのは12度目。広範囲にわたって停電が発生しており、計画停電の期間も長引くだろうと国営送電事業者ウクルエネルゴは説明した。
攻撃に先立つ数日間は、ロシア軍のミサイル攻撃は比較的少なかった。ウクライナ全土では寒さが厳しさを増し、キーウの13日夜の気温はマイナス10度まで落ち込むと予想されている。
原題:Russia Air Strikes Target Ukraine Energy Sites as Winter Deepens(抜粋)