【不登校とその後:体験談】「学習支援塾」で相性のいい先生と出会って…現在の居場所を見つけた経緯は?
“その後”の歩み方を経験者ママに聞きました 学校以外の居場所、なぜそこを選びましたか?
不登校になってからの親としての思いや葛藤、現在の居場所を見つけた経緯は? 高校生の経験者ママにインタビューしました。
りんさん&お母さん(中1から不登校、現在高校1年生) 学習支援塾が安心できる居場所に
りんさんは中学1年生から不登校に。中学校にはほぼ通わず、現在は都立チャレンジスクール校の1年生。お母さんは雑誌や書籍などのデザイナーで、仕事の合間を縫ってりんさんをサポート。 ▶相性のいい先生と出会って変化。塾で対策をして、高校に進学 小学生の頃から友達を作るのが苦手だったというりんさん。環境を変えたいと私立受験をしたものの、中1の夏から教室には行かず保健室登校をするようになり、秋には不登校になりました。 「当初は親である自分を責めてしまい、どうしたらいいかわからなくて。りんはクラスメイトとうまくかかわれず学校になじめないタイプなのですが、人に興味はあるし、家族や親友には止まらないほどおしゃべりになることも。そんな娘に合う対策や場所がわからず、関連する本を読みあさったり、検索したりと探し続ける日々でした」 その中で、中1の終わり頃に見つけたのが、不登校や勉強嫌いに悩む子どもに向けた学習支援塾「ビーンズ」です。 「サイトを読むと、勉強自体を教えるというよりも、子ども自身が自立に向けて育っていけるような仕組みだと感じました。私自身も集団の中や特定の場所で話せない経験があり、うっすら考えていたことが言語化されていて『ここだ!』とピンときて。ただ、当時のりんは何事にもやる気がなくて、『どうせ行っても無駄だ』と。先生たちは、そんな子どもの後ろ向きな態度も教えてほしいと言ってくれるので、逐一報告。また、『家庭は絶対的に安心できる居場所に』と助言をもらい、娘の話をたくさん聞いて寄り添うように心がけました。ネガティブな話を2時間も3時間も聞くのは大変でしたが、だんだんと娘とのコミュニケーションがとりやすくなっていくのを実感。親の私が『ビーンズ』なら信頼して任せられると思ったので『オンラインで1週間に1回、30分でいいから』と続けてみました」 担任の変更が2回あり、相性の合う先生と出会ってから、りんさんは大きく変化。 「絵を描くことが好きで『先生とオンラインでお絵描きゲームをしたらすごく楽しかった!』と。一度ハマると展開が速くて、塾が作ってくれるオンラインの居場所に参加して、ほかの同年代の子たちと話したり遊んだり。人前で自分の意見をしゃべりすぎて落ち込んだりもしつつ、それもいい経験だなと。中2になると、実際に対面で塾にも通い出しました。電車好きになり地下鉄のスタンプラリーに行くからと一人で出かけたりと、外にも意識が向くように。あるとき、りんが塾の帰りに『私、幸せかも』とつぶやいていて。学校に行くか行かないかというより、私は子どもにこういう気持ちを感じてほしかったんだと思い、うれしくて号泣しました」 中3になると、りんさん自身が進路のリサーチを。不登校経験者を支援する東京都の取り組みである“チャレンジスクール校”を受験することに決めました。 「その頃には自分で考えて動けるようになっていたので本人に任せて、塾で受験対策をしてもらい合格。無事高校に入学できましたが、友達はまだできていなくて、実は不登校前と状況はあまり変わっていないんですね。『今日も話せなかった』と帰ってくるのですが、翌日は気持ちを切り替えてまた学校へ。今はダメでも、いつかできるようになるはずだと自分を信じられるようになったのが、いちばんの成長なのかなと感じています」