溝端淳平の”白鳥構文”がこんなに沁みるとは…小泉進次郎とは別のもう1人のモデルとは? ドラマ『民王R』第6話考察レビュー
SNS時代「ちょっと落ち着こう」というメッセージ
さて、今回のもう1人の主役が、2世議員の白鳥翼(溝端淳平)である。次期総理大臣候補に挙げられていたにもかかわらず、6股交際が週刊誌にスッパ抜かれてしまい、政界追放の危機に立たされてしまう。 「客寄せパンダだったのに、客を寄せられないパンダなんて、ただの豚です…」 落ち込んだ時のほうが、言葉のチョイスが絶妙にうまくなる白鳥。 落ち込む白鳥に、泰山と入れ替わった堀田は、昔炎上した自分を重ね、親身に接する。時間が経ってからの謝罪は、言い訳ばかりが増えてしまう。そして普段の行いを直そうとすると、偽善アピールと言われる。 すべてが裏目。許してもらえる方法が分からなくなってくる、と。だから早めに記者会見をしたほうがいい、と、背中を押すのだ。 何をしても叩かれるつらさ。総理大臣に入れ替わった堀田の「ちょっと落ち着こう。書き込む前に『これって必要ある?』と、一回、落ち着こう」という言葉は、一度過ちを起こしたら地獄に落ちるまで許されないSNS時代に響く。 本当にやり直すのが難しくなった現代。それができる白鳥は幸せ者なのかもしれない。 「一から出直すということは、最初からやり直すという事ですから」 同じ意味を繰り返すだけの白鳥構文が、こんなに沁みるとは。
白鳥議員のモデルは、小泉進次郎ともう1人いる!?
白鳥はスキャンダルについて釈明するため記者会見を開く。記事に書かれていることは一部事実と異なるものの大筋で間違いない、ただ、一部間違っている部分がある、それは「6股ではなく8股」と打ち明けるのだ。 白鳥翼の話し方、仕草のモデルは間違いなく、小泉進次郎だろう。ただ、この「素直すぎかよ!」という記者会見は、別に似たケースが。日本民主党を結成した昭和の政治家、三木武吉の騒動だ。 1952年の衆院選の立会演説会で、三木氏は対立候補から「愛人を4人も囲っている。このような不道徳な輩を国政に出す訳にはいかない」と攻撃を受ける。 大ピンチだ。「記憶にございません」とスルーするのか…と思いきや、三木氏は 演壇に立ち、堂々とこう言ったのである。 「4人は正確ではない。正確な数は5人であります」 そして続けて、その5人の女性たちは全員年齢が高くなっているが、捨て去るような不人情はできない、みな養い続ける、と反論。次の期も当選している。 ドラマの白鳥はこんなに堂々とはしていなかったが、ごまかしと嘘で包み隠すよりは、素直に真実を言うほうが、好感度は上がるのかもしれない。もちろん、心からの謝罪とセットではあるのだが…。 言葉というのは難しい。同じことでも、言い方ひとつで評価は極端に変わる。まさに諸刃の剣だ。