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シベリア抑留、災害…平和とは? 北上の長谷部さんが自分史【岩手】

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岩手日日新聞社

 北上市和賀町藤根の長谷部伊平さん(96)は、自分史「明星 人生スゴロク II」を発行した。自身のルーツや戦争体験などを収録。つらい時代を生き抜いた経験から「困っている人、苦しんでいる人には手を差し伸べる。互いに助け合いの心を持つこと」と平和への思いをつづっている。  長谷部さんは1923(大正12)年、福島県福田村(現川俣町)生まれ。20歳で徴兵検査、軍隊教育を受け、朝鮮に渡る部隊に入隊した。満州(現中国東北部)で終戦を迎えた後は、シベリアに連行、抑留された。  3年間にわたる抑留生活。寝泊まりする宿舎造りに1カ月を費やしたほか、樹木の伐採作業や教育施設の建設などに従事させられた。帰国時、田端義夫の「かえり船」が流れる京都・舞鶴港に到着すると、黒髪に白いエプロン姿の婦人が「長い間本当にご苦労さまでした。日本はやってはいけない戦争をやった。それで皆さん方がご苦労なさったのです」と迎えてくれ、胸が熱くなったという。  自分史では長谷部家発祥の由来から当時発生した災害、自身の誕生、戦中のリアルなエピソード、移住や転居、現在に至るまでの生活の様子、略歴を網羅。趣味の陶芸作品や家族との写真などもちりばめ、86ページにわたって自身の言葉で人生を振り返っている。  「戦争を嫌とは言えない時代。戦争に関わってきたわれわれの時代は何だったのか。平和とは何だ」と長谷部さん。人への思いやりの大切さを強調しながら「他人の不幸を喜んでいるようでは駄目なのだ」とメッセージを込めている。

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