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「僕は怖い者知らず」ホリプロ社長・堀義貴がエンタメの力を信じる理由

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婦人公論.jp

◆つかこうへいさんとの深い縁から 中村 大学を卒業後はニッポン放送に入社されましたよね。 堀 まあ完全にコネ入社ですよね(笑)。入社から4年後に退社するまでずっと編成です。編成マンなのにラジオ番組に出演させてもらったり、ちょうどバブル景気時代ですから、楽しく仕事をさせてもらいました。 劇作家のつかこうへいさんとラジオCMを作るという、それはもう得難い経験もしましたね。僕が新入社員の頃、たまたま成人の日の特別番組の中で、つかさんの『娘に語る祖国』を、本人を迎えて番組にするというのを手伝ったんです。 中村 あの本は名著ですね。 堀 非常に真面目ないい番組になって、打ち上げでつかさんと一緒になったのかな。そこで「先生、娘さんの国籍を決めるときに池袋に雪が降ってたって、あのシーンはいいですね」と僕が言うと、「あれは嘘だ」って言うんですよ。「俺は戯曲家だぞ。あんなところに雪は降らないよ」って。 中村 あのシーンで何度も涙していたのに、ズッコケます。(笑) 堀 その後、『つかこうへいラジオCM劇場』っていうのを2年間、めちゃくちゃ大変な思いもしながら担当して、なんだかわからないけど、つかさんにえらい気に入られちゃって。その後もずっと面白いお付き合いが続いたんです。 僕がホリプロの社長になったときのお祝い会では、入ってくるなり箱をバーッと投げつけて、「お祝いだ、ネクタイでもする機会はあるだろう」って。亡くなる直前、僕のところに電話がかかってきて、「一度、娘の宝塚の舞台を見てやってくれ」。 つかさんが亡くなって初めて、娘と奥さんに会って、うちで預かることになった。宝塚でトップ娘役だった愛原実花です。 中村 縁が深いですね。 堀 その後、つかさんの代表作である『熱海殺人事件』を、つかさんの盟友である風間杜夫、平田満、そして娘の愛原実花というキャストで上演し、これはいい供養になったなと思いました。地方公演に行ったときに、平田さんと風間さんと僕とで、つかさんから僕らがどんな被害にあったかを娘に話したんですよ。「そんなひどいことを父はしてたんでしょうか」って娘はキョトンとしてる。 中村 それだけで本が書けそうです。 堀 娘の前にいるつかさんと、われわれの前では180度違う。おとなしく死なない人だなと思いました。

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