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かつて「FF車乗り」の常識だったドラテク「タックイン」を聞かなくなったワケ

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タックインって何

 昔のドラテク本にはほぼ間違いなく掲載されていた、FF特有の『タックイン』というドライビング・テクニック。しかし最近ではほとんど耳にすることがなくなった。どんな技術でどうやれば駆使できたのか、消えてしまった理由は何なのだろうか、改めて解説したい。 【画像8枚】プロドライバーのFF車スイフトスポーツでのコーナー進入、立ち上がりシーンなど

タックインとはFF車のドラテクのひとつ

 タックインとはフロントタイヤが駆動と操舵を兼ねる、FF車の特性を活かしたドライビング技術のひとつだ。  前方にエンジンやミッションといった重量物が集中しているFF車は、直進安定性に優れるが曲がりにくい、すなわちアンダーステアが強い傾向を持つ。  そして旋回中にアクセルをオフにすると、フロントタイヤの進行方向に対して横向きに働く力、いわゆる『コーナリングフォース』が回復することで、アンダーステアからオーバーステアに転じる。簡潔にいえばコーナーでテールスライドを起こして向きを変え、素早く加速する姿勢を作るテクニックがタックインなのだ。  以前は多くのFF乗りがタックインを駆使しており、速く走るには必須ともいえる技術のひとつだったが、近年では死語と化したといっても過言ではない。その理由は果たして何なのだろうか。  そもそもタックインは曲がりにくいFF車を曲げる、いわば『苦肉の策』として編み出されたテクニック。急激なアクセルオフで意図的にテールスライドを起こすのは、ひとつ間違えれば姿勢を大きく乱しスピンにも繋がる可能性があり、速さと引き換えに小さくないリスクを背負っていたワケだ。

激しいアンダーステアも影を潜めた最近のFF車

 ところが近年のFF車はシャシーやサスペンションが劇的な向上を遂げ、強烈なアンダーステアは影を潜めるようになった。昔のようにわざとリヤを流して向きを変えるよりも、セオリーどおりのスムーズな走らせ方をしたほうが、安定して速いタイムを刻めるのであれば、あえてタックインを使う理由はないだろう。  なお最新のFF車でもタックインを起こそうと思えば起こせるが、高いスピードが必要なうえステアリングコントロールが難しく、失敗したときのリスクは昔より高いと言わざるを得ない。  また雨や雪など低μ路は比較的タックインが起きやすいので、ブレーキングやステアリングと同様に『急』の付く操作は避けたほうが無難だ。タックインが過去のドライビングテクニックとなった理由は、FF車の進化によるアンダーステアの減少にあった。

佐藤 圭

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