大阪桐蔭が3年ぶりの全国に前進!昨年王者興国から前半にMF西山秀斗が挙げた1点を守り切り1-0勝利
11月1日、第99回全国高校サッカー選手権大阪予選準々決勝がJ-GREEN堺で行われ興國と大阪桐蔭が対戦し、大阪桐蔭が昨年王者から前半MF西山秀斗が挙げた先制点を守り切り1-0で勝利した。勝利した大阪桐蔭は準決勝で金光大阪と対戦する。 【フォトギャラリー】興國 vs 大阪桐蔭 昨年優勝校の興國は5回戦で箕面に6-0、6回戦で大商学園に6-0で勝利。J1横浜Fマリノス内定の3人GK田川知樹、DF平井駿助、MF樺山諒乃介に加え、J2ツエーゲン金沢内定で既にJデビューを果たしているFW杉浦力斗らを擁し、今年の興國はまさに黄金世代といえるチーム。ここまで圧倒的な強さを見せてきた。 対する3年ぶりの全国を目指す大阪桐蔭は5回戦で香里ヌヴェール学院に1-0、6回戦で常翔学園に0-0(4PK2)と興國とは対照的に攻撃で苦しみながらも粘り強い守備で準々決勝まで勝ち上がってきた。 興國のビルドアップに対し大阪桐蔭は陣形をコンパクトにし、ブロックをつくり局面で数的優位の状況を作っていく。大阪桐蔭が興國の攻撃にうまく対応していると27分、左サイドのPA付近でFKを獲得。5番DF深澤壮太が入れたボールに中央で「自分だけノーマークだったんで、走り込んでいいとこおったらボールが来たんで触るだけでした」8番MF西山秀斗が頭で合わせ大阪桐蔭が先制する。まさかの先制点を許した興國は9番FW杉浦力斗が何度もスルーパスで抜け出すもパスが微妙に合わず前半は大阪桐蔭の1点リードのまま終了する。
後半開始から興國怒涛の攻撃
後半開始から同点に追いつきたい興國の怒涛の攻撃が始まる。まずは42分、右サイドを俊足の7番DF南拓都が縦に突破しクロスボールをあげるとゴール前で9番FW杉浦力斗が完璧なタイミングで合わせヘディングシュートを放つも、シュートは惜しくもGKの正面。59分、左サイドからのスルーパスに抜け出した9番FW杉浦力斗がファーサイドに右足でシュートを放つも枠の外へ。63分、右CKから何度もシュートを放つも大阪桐蔭DF陣に体を張って防がれる。64分、右サイドから10番MF樺山諒乃介が得意のドリブルでPA内に侵入しシュートまで持っていくがこれもDFにブロックされる。 興國の猛攻にさらされていた大阪桐蔭も守っているだけではなく、ボールを奪えばボールホルダーを追い越し人数をかけてカウンターに打って出る。その意識があったことでDFラインが下がり過ぎず、興國の攻撃の開始位置を下げさせた。結局大阪桐蔭がこのまま逃げ切り1-0で勝利。 「全国でリベンジする」を掲げ連覇を目指していた興國だったが、最後まで1点が遠くまさかの準々決勝敗退となった。これでベスト4に進んだ大阪桐蔭は決勝への切符をかけて11月7日ヤンマースタジアム長居で金光大阪と対戦する。 「もう最高でした。いいボールをくれた深澤に感謝したいです」決勝点を決めたMF西山秀斗はゴールの瞬間を振り返り「この一週間、興國の事を研究しまくってこの相手だけにはと思ってやってきたんで勝ててよかったです」と話した。「一点取った後引かないように、また二点目行くぞとハーフタイムでも話していた」というように、試合中ピッチでは西山の味方を鼓舞する大きい声が響き渡っていた。「自分たちは個が強くないので、球際やセカンドボール、そういう細かいところを勝っていく」その意識がチームプレーとなって優勝候補撃破に繋がった。 次戦に向けては、「厳しい戦いになると思いますが、気を抜かず一戦一戦チームプレーで戦っていきたい」と意気込みを語った。 (文=会田健司 写真=谷口一樹)