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佐々木朗希、ロッテで日本元気に/ドラフト回顧録3

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日刊スポーツ

<ドラフト回顧録3> 26日に運命のドラフト会議が行われる。悲喜こもごも…数々のドラマを生んできた同会議だが、過去の名場面を「ドラフト回顧録」と題し、当時のドラフト翌日付の紙面から振り返る。 【写真】ドラフト会議を伝える2019年10月18日付日刊スポーツ    ◇   ◇   ◇ <19年10月18日付、日刊スポーツ紙面掲載> 令和の怪物は千葉へ-。「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が17日に都内で行われ、大船渡(岩手)の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)は4球団競合の末、ロッテが交渉権を獲得した。11年の東日本大震災を経験し、家族や仲間を人一倍大切にしてきた。今月の台風19号など、自然災害に毎年襲われている日本を、国内最速165キロ超えに挑む直球で元気にする。    ◇   ◇   ◇ 佐々木に、ようやく少しだけ本来の笑顔が戻った。テレビ画面越しに井口監督からのメッセージを受けると、会見席に座ったまま頭を3度下げた。「どこの球団になるのかと思っていたので、ホッとしました」。左隣に座る国保監督と両手でガッチリ握手した。 早速ロッテの帽子をかぶると、幼少期から苦楽を共にしてきた仲間もいる野球部員54人のもとへ。計9度胴上げされ「家族や支えてくれた人たちがいたからこそ今がある。僕1人ではここまで成長できていないので感謝の気持ちでいっぱいです」。大船渡を去る寂しさも抱きながら「(うれしさは)100%です」と千葉へ旅立つ覚悟も決めた。 U18ワールドカップ(W杯)での仲間だった星稜・奥川、東邦・石川の抽選結果にも表情ひとつ変えなかった。日本ハム、ロッテ、楽天、西武と4球団からの1位指名。会場の父母らが沸く中でも、多少まばたきの数が増えた程度。奥川に対しては「対戦する機会もあると思うので、その時には頑張りたい」。球速の目標を問われても「今ある日本最速を超えられたらいいかなと思います」と考える間もなく淡々と返答した。 だが、東日本大震災や今月に猛威を振るった台風19号についての問いには眉を寄せながら、少し間を置いて言葉を発した。「自分の活躍する姿をしっかり届けて、少しでも元気になってくれればと思います」。野球ファンだけでなく、日本全国への決意表明だった。 11年の東日本大震災では陸前高田市で父功太さんら家族を失った。大船渡に移住し、野球を通じて笑顔を取り戻させてくれた友人や母陽子さんと一緒に苦楽を共にするため、地元高校へ進学。今回の台風でも岩手沿岸部も被害が多く、復興、復旧への思いについては「プロでは日本一のピッチャーに、チームを優勝に導けるような投手になって恩返しがしたい」と誰かを喜ばせることに重きを置いた。 今年4月のU18日本代表候補合宿で163キロを計測したが、今夏の岩手大会決勝では出場しないまま甲子園出場を逃した。9月のU18W杯でも右手中指負傷で1イニングの登板だけ。「これからがスタートです」。千葉の海から新たな夢へ船出する。 〇…黄金の右手で2年連続超大物を引き当てた。ロッテ井口監督が4球団競合の末、大船渡・佐々木を引き当てた。くじ引き後、日本ハム、楽天、西武が確認を終えたが、誰の手も上がらない。3者が井口監督を見つめる中「交渉権獲得」の文字を確認すると強く右拳を突き上げた。「緊張してました。去年藤原を引いてから、プレッシャーをかけられていたのでホッとしています」。興奮からか若干震えていた。 くじを引くまで誰にも話せなかったが、昨晩当たりを確信した。「ドラフトで(当たり)くじを引いた夢を見た。引けるだろうなと思いながら引きました」。会場入り前には、地元の西東京市にある田無神社で参拝し必勝を祈願した。 千葉のエースにとどまらず、日本、世界に羽ばたける逸材。招き入れる準備は万全だ。既存の体制に加え、トレーナー、トレーニング、管理栄養士とそれぞれ1人ずつ専門家を招聘(しょうへい)。これまでと違い、24時間体制で対応可能な専属病院とも提携した。「引かせてもらった分、今度は育てていかなくちゃいけない。万全なサポートでやっていけると思う」。既に種市、岩下と高卒投手が台頭する環境がある中、さらなるサポート体制を整えた。 「ぜひ千葉を一緒に盛り上げていきましょう」と井口監督。ゴッドハンドに導かれ、また1人、スターが千葉にやってくる。 ※記録と表記などは当時のもの

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