<プロ野球>まだまだ若いぞ!! 中日“オーバー30”
今年で40歳以上の現役プロ野球選手が何人いるかご存じだろうか。答えは14人。その中で、山本昌、谷繁元信、和田一浩、小笠原道大、岩瀬仁紀と、実に5人もの選手が中日に所属している。和田を除く4選手は、既に名球会入りしており、和田も順調に行けば今季中に名球会入りの資格となる2000安打を達成するだろう。若手の育っていない今の中日にとって、彼らベテラン選手や中堅選手の成績が今季の順位を左右するといっても過言ではない。 中日は公式戦3位で7月に突入した。が、苦手・巨人の前に接戦をモノにできず3連敗を喫するなど、1勝4敗で再び4位に逆戻り。そんな中日にとって実は、この7月が正念場。ここ10年を見ても、良くも悪くも7月の順位でシーズンを終えた過去が7回もあるだけに、気の抜けない1カ月となる。 打撃陣では、前述した和田や小笠原に加えて、森野将彦、大島洋平、ルナ、エルナンデスらが好調で、チーム打率も上昇中。一方の投手陣はというと、新人の又吉克樹と祖父江大輔、2年目・福谷浩司ら若手中継ぎ陣の頑張りはあるものの、1軍経験の少なさから勝ち越し、逆転を許す場面も少なくない。そこでケガから復帰した浅尾拓也や岩瀬ら、実績十分なベテラン投手の出番となるわけだが、こちらも状態が良くないのか今一つピリッとせず、接戦をモノにできない原因となっている(表1参照)。
表2は、各球団の逆転勝敗数を点数別に表したもの。中日は、通算敗数に対する逆転負けの割合がヤクルトに次いで高く、38試合中16試合が逆転での敗戦となっている。表3では、先取点を取った試合での勝敗数をまとめた。中日はここでも、1点先制した試合において唯一勝ち越せていないという結果が出ており、リードを守り切れず、敗れる傾向が見受けられる。
本来、落合GMや谷繁監督が目指す野球は、シーズン前にも話していたように「負けない野球」=「守り重視のゼロで抑える野球」だろう。そのためにも、打撃陣が好調なうちに岩瀬、浅尾らベテラン・リリーフ陣の復調が早急に望まれる。ここが安定し、今まで落としていた1点差ゲームを1つでも勝利に結び付けられれば、自ずと順位は上がるはず。また、上位との差を縮めるためには先発要員の確保も必要だが、こちらはエース・吉見に復帰の目途が立っており、山井、濱田とともに先発3本柱の形成が予想される。 若手に伸びてきてほしいのが本音だろう。しかし、まだまだベテランが衰えをみせない中日。「勝負の7月」に攻勢をかけるためにも、経験豊富なベテランが中心となって監督の目指す野球を形にできれば、巻き返しも十分可能だ。まだまだ中日の“オーバー30”の選手たちから目が離せない。 (株)日刊編集センター