みんなの診療所、景観形成で表彰 龍郷町中勝
景観形成の功績者を表彰する鹿児島県の「第8回かごしま・人・まち・デザイン賞」の受賞者がこのほど発表され、現代まちなみ部門のネット大賞に、龍郷町中勝の「みんなの診療所」が選ばれた。同診療所の原純所長は「病院らしくない、自宅より落ち着ける空間を目指した」と述べ、受賞の喜びを語った。 デザイン賞は個性豊かで魅力あふれる景観の形成を推進する目的で、県が2013年度創設。今年度は「自然・歴史的景観部門」「現代まちなみ部門」の2部門に計28件の応募があり、それぞれ大賞と、一般の投票で決定するネット大賞の計4件を選出した。 みんなの診療所は、大きな切り妻屋根と深い軒が特徴の鉄骨造平屋建て。奄美市笠利町出身の一級建築士・松山将勝さんが代表取締役を務める松山建築設計室(福岡県)が設計し、20年7月に開所した。
建物は塀を設けず庭の植栽で外からの視線を自然に遮る構造で、地域の景観との調和を図った。室内は落ち着いた色合いの家具で統一し、待ち時間に仕事ができるコンセント付きデスクや、本棚のある多目的スペースなどを備えた。 原所長は「受診のハードルを下げるため、患者さんや付き添いの方が病院と関わる時間を少しでも快適に過ごせるように工夫した。市民目線で評価されたことがうれしい」と喜んだ。
奄美の南海日日新聞