米遠隔医療ヒムズの株価急落、アマゾンが抜け毛など競合分野に参入
(ブルームバーグ): 遠隔医療プラットフォームなどを手掛ける米ヒムズ&ハーズ・ヘルスの株価が過去5年間で最大の下げを記録した。米アマゾン・ドット・コムが会員制初期診療サービス「ワン・メディカル」において、抜け毛対策などヒムズの競合となり得る分野で新たなサービスを導入すると発表したことを受けた。
ヒムズの株価は14日に一時約27%下落。取引時間中の下げとしては2019年9月の取引開始以来、最大となった。もっとも「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれるタイプの肥満症治療薬の販売が飛躍的に伸びたことで、株価は年初来から13日終値までで3倍になっていた。
アマゾンは処方薬の販売拡大とともに消費者向けヘルスケア業界のさまざまな分野にますます進出している。同社は今年、処方薬の当日配送をニューヨークとロサンゼルス大都市圏に拡大し、糖尿病やインフルエンザなどの治療薬を数時間以内に受け取れるようにした。
リーリンク・パートナーズのアナリスト、マイケル・チャーニー氏はリポートで「ヒムズの最近の業績は主にGLP-1受容体作動薬によってけん引されてきたが、基盤事業の大部分は依然として抜け毛と勃起不全であることを再認識させられる」とし、アマゾンの新サービスは「全体的により低価格で同様の利便性を提供しているようだ」と述べた。
アマゾンの遠隔医療サービスでは、一般的な健康、美容、生活習慣に関するさまざまな悩みについて、診察、治療計画、医薬品の無料配送を提供している。ウェブサイトによると、アマゾンは男性の抜け毛やスキンケア、まつげ、勃起不全などに関するヘルスケアサービスを導入した。抜け毛対策は月額16ドルから利用可能という。
アマゾンの14日終値は1.2%安の211.48ドル。
原題:Hims Drops Most Ever as Amazon Enters Hair-Loss Drug Market(抜粋)
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Antonia Mufarech