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「左車線回帰」が始まった! コロナ禍で変化する最新「タクシー」事情

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お客を逃さないよう一番歩道寄りの車線を走るよう教えられる

 都内において道路端でタクシーに乗ろうと待っていると、進行方向に複数の車線のある大きな道路で、空車なのに中央車線を走っている車両が目立っている。新人タクシー乗務員のころには座学の研修だけでなく、同乗研修などでも“空車時は歩道側(第一走行車線)を走るように”と指導されている。 【写真】空車・賃走・割増……タクシー専用の機械「スーパーサイン」を徹底解説  道路端でタクシーに乗りたいお客がいるのだから、当然と言えば当然の話。筆者は意識して“こんなところでタクシーに乗るひとは少ないだろう”といった場所でタクシー待ちしているので、その場合は乗務員も“こんなところにお客はいない”と油断して中央側の車線を走行しているケースが多いようだ。  だが夜間などは繁華街など、より“上客”が期待できる場所へ急いで向かいたいとする乗務員なども、中央よりの車線を空車で走っているようだ。ビフォアコロナのころは、“回送”表示にして自分の稼ぎたい場所へ向かう乗務員も目立っていたと聞くが、いまはそこまでお客を選んでいられるとは思えないのだが……。  ここ最近、中央寄り車線を走るタクシーが目立っているように感じるのは、やはりウィズコロナの時代となったことで利用客が減少傾向にあり、乗務員の心に余裕がなくなってきているのかなあとも感じている。  ちなみにタクシー乗務員は、とくに流し営業(通りで手をあげたお客を乗せる)の多い都市部では、空車時はつねに歩道側を意識して運転しているので、わかりやすくいえば、“やや左斜め前をチラ見”状態で運転しているといってもいいだろう。

ロング客の帰りも距離が稼げるお客を捕まえられると理想的

 ただ、残念ながら乗務員が狙うロング客(長距離利用)などは、乗務員が狙った通りに(ここならいそうだと流す場所を選らんだりすること)利用してもらえることはあまりない。いまどきはアプリ配車なども普及してきているが、“こんなところでなぜ?”というシチュエーションでロング客などの“上客”に遭遇するのもタクシー乗務員という仕事の面白いところなのである。 「深夜ですが、お客を降ろして、都心部なのに人気のない交差点で信号待ちをしていると、リヤドアのガラスを叩く音がしました。ドアを開けお客を乗せると『神奈川まで』と告げられ驚きました。私どもの業界では大変失礼ですが、このようなお客を“お化け”などと呼んでいます。しかも、発車してしばらく走らせていると『忘れ物をしたので乗った場所に戻ってほしい』と言われました」 「さらに目的地について帰る途中に多摩川を渡り都内に入ったとたんに、都心へ向かうというお客を乗せることができました。長距離のお客を乗せた帰りに、すでに明け方近かったですが、空車ではなくお客を乗せて都心に戻れるのは非常にラッキーでした。ただこのような流れは、こちらが狙ってもなかなか実現するものではありません。まさにこの仕事の醍醐味ですね」とは、かつてタクシー乗務員経験のあるA氏。  転職してきて、目を吊り上げて“稼ぐぞ”と乗務する乗務員は、経験を積んでもなかなか稼ぎが上がらなかったり、事故や乗客からのクレームが多いケースが目立つ。「過去を引きずったまま、闇雲にタクシーに乗務していてはやはり厳しいですね。過去は完全に捨てて、身も心もタクシー乗務員にならないと、コンスタントに稼ぐのは難しいです。“タクシーを街で流してお客を乗せるだけ”という簡単な仕事ではないのです」(前出A氏)。

小林敦志

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