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旅客機と貨物機 操縦はどう違う? 操縦機会は? ANA「B777F」パイロットに聞く裏側

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乗りものニュース

ANAのB777F、搭乗機会は年間2、3回!?

 航空会社では旅客機と同じモデルを用いて、外観は似ているものの、窓がなく客室内が貨物スペースとなっている「フレイター(Freighter)」と呼ばれる貨物専用機を運航しているところもあります。 乗るには荷主になるしかない!? 4席のみの「777F」の座席  日本国内で2020年現在、旅客型とフレイターを両方保有しているのはANA(全日空)のみです。同社では、ボーイング767型機、そして2019年からはより大型である777型機のフレイターである777F型機を2機保有しており、同社のパイロットはそれらに共通して乗務できるといいます。  同社によるとたとえば777F型機の場合、その乗務機会は2020年7月のダイヤからパイロットの規模で単純計算すると5か月に1回程度。そこからパイロットそれぞれのエリア資格、空港資格の要件も勘案すると年2、3回乗るのが一般的ではないかといいます。ではボーイング777型機のパイロットから見て、旅客機とフレイターはどう違うのでしょうか。 「777F型機の場合、コックピットのスイッチは、旅客型の777型機と若干違いがあります。ちなみに777F型機の機内には、実は輸送関係者などが搭乗する場合を想定し、機体前方にお客様用のシートが4席備わっているのが特徴です」(ANAのパイロット)  パイロットによると、違いは搭乗前からあるようです。国際線で泊まり用のスーツケースを持って行く場合、旅客便であれば乗客と同じくターミナルで荷物を預けるのが通常である一方で、フレイターに乗る際は、荷物検査を受けた後にパイロット自らケースを駐機場まで持って行き、機側で搭載してもらうのが一般的なのだそうです。駐機場も、旅客ターミナルとは別のエリアにある貨物ターミナルを発着することも多くあるといいます。

いよいよ搭乗! 飛行ルートにも差? 旅客機と貨物機

 ANAのパイロットによると、フライト前に事務所で行われる確認事項は旅客機、フレイターともに同じである一方、担当する飛行機についてからは差が生じるといいます。  機内に入るとパイロットはフライト前に、消火器やライフベスト、救急用酸素ボンベなど客室内の非常用装備品が所定の位置、数量で搭載されているかを毎回確認するとのこと。これは旅客機だと、客室乗務員がチェックするのだそうです。  また、出発空港で雪が降っているとき機体の雪を取り、着氷を防止する措置を講じたのち出発しますが、このときのチェック方法も旅客便とフレイターでは異なるといいます。  旅客便では、場合によっては翼の表面をパイロットが直接客室に出向き目視で確認することがある一方で、フレイターでは点検が必要な状況になった場合は一律で駐機場へ引き返し、再び作業を実施するとのこと。これは777F型機の場合、飛行中にパイロットが貨物室に行くことが原則できないからだといいます。  設定される飛行ルートは、旅客機、フレイターともに大きな差はないとしています。ただし、乗客の乗っていない貨物便は比較的揺れを気にしなくて済むため、ルートや高度選定は多少選択肢が広がるとも。といっても、貨物の中には競走馬や絵画、高級車などが搭載されているケースも多いことから、基本的に大きな揺れを避けるというのは一緒だそうです。

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