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【三澤紗千香 インタビュー】熟成された気持ちが曲になって降ってきた

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今年4月にシングル「この手は」でユニバーサル ミュージックよりCDデビューした三澤紗千香が2ndシングル「I'm here / With You」をリリースする。しかも、「I'm here」は三澤自身が初めて作詞作曲を手がけ、彼女のルーツである声をモチーフに等身大の気持ちが歌われている。作詞作曲という長年の夢を叶えた本作について、制作の過程やそこに込めた想いを訊いた。 三澤紗千香 インタビューのその他の写真

恥ずかしくても聴いてもらわないといつまで経っても前に進めない

──「I'm here」はご自身では初の作詞作曲ですが、以前から曲作りはやっていたんですか? 作詞作曲は“いつか声優としてデビューしてCDを出す時は自分で曲を作りたい”と思っていた中学生の時からの夢で。当時はYUIさん、大塚 愛さん、aikoさんなどシンガーソングライターの方の曲を聴いて、自分の言葉とメロディーで、時には自分で演奏もして表現する…音楽というのはそういうものだと思っていました。でも、1番しかできなかったり、歌詞が書けなかったり、歌詞が浮かんでもメロディーが出てこなかったり、全然かたちにならなくてずっとモヤモヤしたままここまで来てしまって。今回の2ndシングルの会議があった時、“実は今日持って来た音源があって…”とスタッフのみなさんに歌詞を書いたA4の紙を配って、iPhoneからデモ音源を流して聴いてもらったんです。 ──今まで完成に至らなかったのに、会議に合わせて作ったんですか!? 会議の数日前にメロディーと歌詞が一緒にフッと降りて来たんです。まさか今回収録してもらえるとは思っていなかったんですけど、どこかで披露するチャンスがあればと思って、勇気を出して持って行きました。で、聴いていただいたら“これを2ndシングルにしよう”と言われて、“え!?”って感じで驚きました(笑)。 ──会議で聴いてもらったデモ音源はどうやって作ったんですか? 以前のレコード会社の時に作詞作曲やサウンドプロデュースでお世話になっていた、千葉"naotyu-"直樹さんに作っていただきました。naotyu-さんは私の声のいいところやキーも知っているし、どういう曲がファンの心にどう刺さるかも分かっているから、いい感じのデモ音源にしてくださるんじゃないかと思って。なので、“まだ何になるか分からないんですけど、会議に提出したいので曲っぽくしてもらえませんか?”と(笑)。 ──会議で聴いてもらった時はドキドキだったでしょうね。 すごくドキドキしましたし、恥ずかしかったです。でも、そこで出さなければ、いつまで経っても前に進めないと思ったので。 ──何をしていた時に曲が降って来たんですか? 家のソファでリラックスしている時に“あっ!”って。曲を作りたいという気持ちは常にあったから、普段から仕事以外の時間は音楽のことを考えることが癖になっていて。何年もひたすら準備だけはしていたので、その気持ちが熟成されて、やっとその時に出てきたんだと思います。全てはこの時のためだったんだって。でも、降って来た時は“私、こんな歌を歌うんだ!?”って思いました(笑)。 ──三澤さんの意思の強さを感じさせながら、自分の弱さを吐露しているようなところもあって、ただ前向きなだけではないところに親近感を感じましたよ。 私は自分に自信がないタイプなので、三澤を主人公として書いていると思って聴いてもらってもいいです。ファンになってくださる方も私と似たタイプの人が多いから、ご自身に当てはめて聴いてもらえば“分かるな”って思ってもらえると思いますね。“このままじゃいられない”とか“何か行動しなくちゃ”、“三澤さんも頑張っているんだから自分も頑張らなきゃ!”みたいな気持ちになってもらえたら嬉しいです。 ──決して独りよがりではなく、聴く人によってさまざまに受け取れるものになってますしね。 はい。自分のことしか書いてないのは嫌だし、かと言ってみんなのことばかりで自分のことが入っていないのも嫌なので、誰が歌ったっていいという曲にはしたくなくて。私の歌を聴いて“心に残る曲だな”と思ってほしいし、人の背中を押せる曲が作りたいと思っていました。“I'm hrere”というタイトルは“ここに私はいます!”と自我が強く感じられると思いますけど、意外と応援歌っぽさもあるんです。今まで応援してくださった方ならより深く理解してくださるだろうし、あまり知らなかった方に対しても“私はこういう人です”と紹介できるような曲になりました。 ──特にこだわったのはどこですか? Aメロの《それは声》の“声”の言い方です。声は私が救われたものであり、みんなが私を見つけてくれるきっかけになったものなので、“声”という言葉を大事にしたくて。なので、どういう言い方が一番良く聴こえるのか、間を開けるのか、つなげて言うべきか、フワっとさせればいいのか…とか、何度も試しながら相談して決めていきました。 ──空気成分を何パーセント含ませるのかとか? そうです。そういうことにもパッと対応できるのは、声優として自分の声をコントロールする力を養ってきたからだなって思いますね。 ──声という部分では1番のあとに息の音が入っているのは聴きどころですね。ここはどういう息をイメージしましたか? 息を吐くだけで、溜息や感嘆の声だったり、人間のいろんな感情が表現できることを声優の仕事で学んでいたから、心が露出する瞬間を作りたいと思ったんです。誰かの溜息でもいいし、ホッとした安堵の息に聴こえてもいいし。聴いた人のその時の心情で聴こえ方が変わるんじゃないかと思います。 ──また、Dメロで《さあ 手を伸ばして》とあって、ここは前シングル「この手は」とつながっていますね。 つながっています。自分のできることは声でみんなに元気になってもらうことで、みんなの背中を押すのも好きですけど、みんなの手を引っ張るほうが好きなんですよ。ファンのみんなを振り回したり引っ張ったり、いつもの三澤らしさが表れているところじゃないかって思います。 ──エレクトリックなサウンド感ですけど、音についてはどういうイメージを持っていました? 「この手は」がロックだったので、似た感じにならないようにしたいと思ったくらいしかなかったんですけど、naotyu-さんは洋楽っぽさを意識したそうです。1番にはない音を2番に使っていたり、実は1番より2番のほうが厚めにコーラスが入っていたり、シンプルだけど飽きないような展開になっています。 ──ヴォーカルもAメロは囁くような感じで、無理に張り上げていないところが心地良いです。 レコーディングでもヴォイスメモで録った時と同じくらいの声で歌ったんです。naotyu-さんはヴォイスメモがすごく良かったから活かしたいと言ってくださって。それこそソファの上で呟いているみたいな。声優という仕事上、声を出す時は大きな声というのが染みついているので最初は戸惑いましたけど、実際に歌ってみるとすごくしっくりきたんです。私の伝えたいことが、より伝えやすいなって。ワ~ッて大声で言われるよりも、とつとつと語られるほうが心に入ってくるし。いろいろ歌っていろんな声を出してきたけど、まだまだ知らないことがあるなって。

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