いろいろサイズのカブを作ろう 栽培の秘けつ
煮ても焼いても漬けてもおいしいカブ。さまざまな色や形があってバラエティー豊富です。タネまきの適期はこれからです。育てる前に知っておきたい、カブのサイズと上手に作る秘けつについて、『やさいの時間』8・9月号より、一部を抜粋してお届けします。 みんなのカブ栽培の写真
カブには主に3つのサイズがある
カブには、小カブ(直径約5~6cm)、中カブ(直径約10~13cm)、大カブ(直径約15cm以上)の3つのサイズがあります。 みずみずしい小カブは生のままサラダとしても食べられ、栽培日数が45~50日と短く、育てやすいのが魅力。漬物としての用途が多い大カブは、肉質がきめ細かく、食べごたえたっぷり。その両方の長所を兼ね備えた中カブも、用途が多彩で作りがいがあります。 それぞれに専用の品種がありますが、小~大まで好みの大きさで収穫できる品種もあるので好みのものを選んで栽培しましょう。小さいほど栽培日数が短く、作りやすいですよ。
いろいろサイズのカブ、上手に作る秘けつは?
①間引きは早めに行う 収穫までに3回の間引きをして間隔を広げ、根を大きく育てます。間引きが遅れると葉ばかり茂り、根が太らなかったり、形がいびつになったりするので要注意。特に生育後半は根が急速に太るので、遅れないよう間引きましょう。 ②連作をしない カブは連作(同じ場所で同じ科のものを連続して作ること)をすると、根こぶ病やセンチュウの被害などにあいやすく、食用に向かなくなります。2~3年間アブラナ科野菜を作っていない場所で栽培するか、根こぶ病に強い品種を選びましょう。 ③穴あきマルチを活用する すじまきで育てることもできますが、きれいなカブを作るなら、穴あきマルチを張って点まきするのがおすすめ。雨による泥はねを防いできれいなカブができるほか、株間があらかじめ確保されているので間引き作業も容易。保温効果が高いので、気温が低くなる10月にタネをまいても失敗しにくくなります。 タネまき適期は9月上旬~10月中旬(寒冷地では8月中旬~9月中旬、暖地では9月中旬~10月下旬)。8・9月号では、栽培方法を詳しく紹介しています。 講師/藤田 智(ふじた・さとし) 恵泉女学園大学副学長、人間社会学部教授。秋田県生まれ。学生や社会人を対象とした家庭菜園指導の第一人者。「初めてでも失敗しない」栽培メソッドに定評がある。『はじめてでも大収穫! 野菜づくり超入門 春夏編』(NHK出版)など著書多数。 ●『やさいの時間』2024年8・9月号 育てて、漬けて、季節を楽しむ ダイコン、カブ、ハクサイ「2章 育てる」より