【40代・50代は知っておきたい】キッチンの壁掛け収納は、災害時に凶器となります
腰から上に物を置かない! 安全基地の確保もマスト
災害はいつ起こるかわからず、起きたときにどの部屋にいるかも予測は不可能。最終的には家中すべてを見直す必要があるが、まずはいる時間が長いリビングやダイニングから始めてみても。 「飛んでくるのを防ぐため、出窓やリビングラックの上などにはできるだけ物は置かないようにします。テレビは倒れてこないように脚の下に滑り止めシートや耐震マットを敷くなどしましょう。滑り止めシートは100円ショップなどで売っているもので十分。テレビ以外にも“物が落ちそうなところ”に敷くだけで、かなり防災力が上がります」 ライトも、揺れによって落下するとケガの原因に。 「コードが長いタイプは、揺れによる遠心力で想像以上に大きく振れて、チェーンが切れることがあります。できるだけチェーンを短くしておき、ガラス製の照明器具なら表面に飛散防止フィルムを張っておくのもおすすめです」 こまごました小物類は、むき出しでラックの上などに置かず、ケースにしまっておくと飛散しづらい。 「収納ケースの裏底面にも滑り止めシートを貼っておきましょう。棚の上とケースの底、両方にシートを貼ると相互にかみ合って、より動きにくくなります」 そして大事なのが、いざというときに身を護れる「安全基地」を確保しておくこと。 「例えばダイニングテーブルの下など、“ここにいれば物が落ちてこない、飛んでこない”という場所を1カ所でいいのでつくってください。それを家族で共有しておくことが大事です」
本棚をはじめとした背の高いラック類は、下のほうの段に重さのあるものを入れ、上の段にいくにつれて軽いものを収納すると重心が下になるので安定し、倒れにくくなる。 「入れる場所を見直すだけで倒れにくくなり、倒れたとしても被害の大きさに差が出ます。 また、ひとつひとつは軽くても、大量に落ちてくることで危険度が高くなる物にも注意が必要です。その代表が本。阪神・淡路大震災では本に埋もれて動けなくなり、そのまま亡くなった方が多くいました。本棚の棚板に滑り止めシートを敷き、できるだけ本をギチギチに詰めて並べることも、落下防止には大いに役立ちます」 また棚と床の隙間には、転倒防止のための板をかませるのもおすすめ。 「棚の前面にくまなく入れられればベストですが、両サイドと中央の3カ所だけでもかなり効果があります。100円ショップの滑り止めシートと合わせ技で使うのがベストです」