“ニュル6分30秒切り”を量産車が達成!F1由来のハイパーカー「メルセデスAMG One」が6分29秒090をマーク
F1由来の技術がパワートレインに投入されたメルセデスAMG Oneは、2022年にニュルブルクリンク北コースで量産車最速に輝いた。それから2年ほどが経過した2024年9月下旬、このハイパーカー再び同地でのアタックを試みると、量産車としては史上初の6分30秒切りを達成した。メルセデス・ベンツは、ハイパーカーの「AMG One」がニュルブルクリンク北コースで6分29秒090のレコードを樹立したと発表した。 【関連画像】現場でメンテを受けるメルセデスAMG One “ニュル最速の量産車”としては、2015年にポルシェ「918スパイダー」がそれまでのタイムより14秒も速い6分57秒を記録し、初の7分切りを達成。その後、2022年10月にはメルセデスAMG Oneが6分35秒183をマークし量産車最速となった。 それから2年が経過した2024年、F1由来の技術を搭載したハイブリッドハイパーカーであるAMG Oneは再びグリーンヘルにカムバックし、DTMドライバーのマロ・エンゲルのドライブにより、自らのレコードを5秒以上も更新。6分30秒の壁を破った最初の量産車となり、レースカーの領域に大きく近づいたといえる。 アタックは2024年9月23日午後6時56分に行われた。トラックは完全に乾燥しており、気温15°C、路面温度20°Cと記録されている。 エンゲルは、2022年に最初に記録に挑戦したときのコンディションは理想的ではなく、トラックの一部が「まだ少し湿っていた」と明かしている。しかし、ブランドのアンバサダーでもある彼は、新しい記録はAMG Oneの「最大限の可能性」を示したと述べ、チーム全員の協力に感謝しているという。 記録を達成したマシンは「デリバリー許容範囲内で最大のキャンバー値」を特徴とし、トラックにより適したドライブモード「レースプラス」だった。このモードでは、アクティブエアロダイナミクスを活用しながら、フロントアクスルを37mm、リヤアクスルを30mm下げ、1.6L V6ターボエンジンと4つのモーターが生む最高出力1063psをフルに発揮する。 シミュレーターでの練習走行の後、ドラッグリダクションシステム(DRS)を巧みに使用するとともに、バッテリーパックからのエネルギーも可能な限り効率的に絞り出した。また、タイヤはAMG One専用に開発され、標準装備に採用されるミシュラン・パイロットスポーツカップ2 R MOタイヤが装着された。 今後は、他のハイパーカーメーカーがグリーンヘルでメルセデスAMG Oneの記録に挑戦するはず。ライバルのアストンマーティン「ヴァルキリー」は2021年後半に生産開始となったにもかかわらず、まだ公式な挑戦はしていないが、ケーニグセグ「ジェスコ・アタック」、ツィンガー「21C」、そして近日発売予定のマクラーレン「W1」などが牙を研いでいることだろう。
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