実は9割の人は猫背ではない!?正しい「姿勢」の整え方
「姿勢を直したい」「猫背なので、姿勢についてよく注意された」という人は多いだろう。 【写真】腰痛、肩こりを防ぐために!シーン別の「正しい姿勢」の作り方 たしかに、背中が丸くなって、前屈みになっている猫背の状態は不自然で、体に負担がかかっている。 だからといって、「猫背にならないように背筋を伸ばそうとすると、上半身が反ってしまう」と指摘するのは『「調子がいい!」が続く姿勢と呼吸の整え方』(大和書房)の著者である心身統一合気道会会長・藤平信一氏だ。 どうすれば正しい姿勢となるのか。藤平氏による正しい姿勢の整え方をご紹介しよう。
9割は猫背ではない
藤平氏によると、自分では猫背だと思っているのに、実際には反っている人の方が大半だそう。過去に行った調査では9割くらいの人が反っていたという。 まずは自分の姿勢をチェックしよう。つま先立ちになった状態で、姿勢が後に反っていないか確かめる。自分ではわかりづらいので、誰かに見てもらい、正しい位置を指摘してもらうといいだろう。
よい姿勢とは「自然な姿勢」のこと
反った状態を正すと、今まで反った姿勢で慣れている人は、かなり前屈みになった錯覚を得て、かえって不自然に感じるかもしれない。 その時「両肩に重さをかけてみて、今度はどこにも負担なく支えられることがわかると、それが自然な姿勢であることを自覚できます」と藤平氏。 藤平氏によると、正しい姿勢とは「自然な姿勢」であり、一般的に正しいといわれる「気をつけ」の姿勢も実はバランスの悪い姿勢だという。
悪い姿勢は力みが入る
実際に「気をつけ」の姿勢をとってみよう。背筋を伸ばして、胸を張って、手はぴったりつけて、かかとを合わせる。そのとき体に力みがあることに気づくだろう。 藤平氏が考える「自然な姿勢」は、以下の3つのポイントを満たすそうだ。 1. 最も楽な姿勢 自然な姿勢は楽だ。「気をつけ」の姿勢は体に力みが生じているため苦しいので、自然な姿勢とはいえない。 2. 最も持続できる姿勢 自然な姿勢は無理なく持続できる。「気をつけ」の姿勢は疲れて持続できないので、自然な姿勢とはいえない。 3. 最も安定した姿勢 自然な姿勢はバランスがとれている。「気をつけ」の姿勢はバランスが悪いため、自然な姿勢とはいえない。
自然な姿勢はつま先立ちで見つける
ではどのように自然な姿勢を見つければいいのか。 体に余分な力を入れず、つま先立ちをする。その時、フラフラするなら、いったんかかとを下ろし、再びつま先立ちをしてみよう。 何度か繰り返すうちに慣れてくる。つま先立ちをしてバランスが取れたら静かにかかとをおろす。その姿勢が自然な姿勢だ。 自然な姿勢がとれれば、疲れにくい、重い荷物を楽々持てるようにもなる。「立つ」という姿勢は動作の基本であり、土台だ。病気や怪我などでバランスをとりにくい人は、何かに捕まって、無理のない範囲でつま先立ちをし、自分の自然な姿勢を見つけてみよう。