世界の22年ニッケル需給予測、6万7000トンの供給過剰。インドネシアの増産継続
国際ニッケル研究会(INSG)は、4月22日と25日にオンラインで春季定期会合を開き、2022年のニッケル需給予測をまとめた。22年の世界のニッケル需給バランスは6万7千トンの供給過剰と予測した。21年は16万8千トンの供給不足だった。22年はインドネシアの含ニッケル銑鉄(NPI)の増産が継続する見通しにあることに加え、同国でのHPALプラントの立ち上げも進むと想定し、2年ぶりに余剰バランスに転じると見た。 22年のニッケル需給は、供給量308万2千トン(前年比18・2%増)、消費量301万5千トン(同8・6%増)と予測。供給ではインドネシアと中国の増産が全体の供給量を押し上げると見ている。中国のNPI生産は減少する見通しだが、インドネシアで生産されたニッケルマットやMHPが中国に輸出され、中国での電池向けニッケルの生産は増えると想定した。 需要ではステンレス向けの需要は好調だった21年に対して22年の成長率はやや鈍化すると想定したが、電気自動車の車載電池向けが引き続き増加すると見込んだ。 一方、21年のニッケル需給は供給量260万8千トン(同4・7%増)、消費量277万6千トン(同16・2%増)だった。