さとうほなみ”莉紗”の暴走がヤバい… 次回に待ち受けるさらなる修羅場とは?『わたしの宝物』第8話考察レビュー
美羽(松本若菜)と宏樹(田中圭)のさらなるすれ違い
美羽(松本若菜)と冬月(深澤辰哉)を繋ぐ“刺繍の栞”を、宏樹(田中圭)と莉紗(さとうほなみ)がそれぞれ見つめている…そんな不穏な幕開けとなった『わたしの宝物』第8話。 【写真】修羅場が止まらない…松本若菜はじめ、実力派キャストの貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『わたしの宝物』劇中カット一覧 托卵と不倫が露見した美羽と離婚を切り出した宏樹の間には、気まずい空気が流れる。今後のことを話し合わなければならないが、お互いに大事な話を避けてしまい余計にギクシャクしてしまう。 「それって親子っていうんじゃねえのかな」 夫婦関係が崩壊していくなか、今回も喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)のセリフが骨身に沁みる。彼は宏樹に必要な言葉、欲しい言葉をいつもさりげなく与えてくれる存在だ。 宏樹は栞と離れたくないと思いつつも、美羽と栞を引き離さないために自らが身を引こうとしていた。血の繋がりを気にするがゆえの答えだったが、浅岡に「『俺の子じゃない』と栞ちゃんに言えるのか?」と問われた宏樹は口をつぐんでしまう。 たしかに、血縁からいえば宏樹と栞は親子ではないのかもしれない。でも、栞は宏樹の顔を見れば笑い、抱っこをすれば匂いで落ち着いて眠る。そしてそれは栞だけでなく、宏樹もまた同じである。 幸せな日常の積み重ねと、子どもに対する愛情。その2つによって徐々に親子になっていくのだとすれば、宏樹はもうすでに栞の立派な父親といえるのではないだろうか。 その頃、美羽は真琴(恒松祐里)に相談したことで、宏樹の出した答えを受け入れるだけでなく、栞のためにできることをしなければならないと考えを改める。その行く末が結婚指輪をはずす行為へと直結したが、寂し気な薬指に気づいた宏樹との間にさらなるすれ違いを生んでしまう。 部屋を出れば顔を合わせられるのにもかかわらずLINEで淡々と会話をするシーンは、2人の微妙でデリケートな距離感を表すのに最適な演出だった。
冬月(深澤辰哉)は救われるのか?
一方で、莉紗がついに行動を起こす。商談相手である宏樹からのメールの内容で、冬月たちの関係に確信を持った莉紗。冬月の大切な人がどんな人か知りたい気持ちで、フリーマーケット参加者への取材と称して美羽と対面する。 何も知らない美羽は“古くからの友人”冬月との思い出を懐かしみながら、「あの時も昔も、いつも救ってくれました」と語る。時折笑みをもこぼすその表情を凍りつかせたのは、莉紗の「冬月は救われましたか?」の一言だった。 冬月を一番近くで見てきた彼女は、彼の苦しみを知っている。そんな莉紗からすれば、美羽は冬月の純粋な恋心を傷つけた女にしか映らないのも当然だろう。 美羽に会いたい一心でアフリカから生きて帰ってきた冬月に対し、結婚して夫も子どももいる美羽。冬月だけが苦しみを被るその理不尽さと、自分の宙に浮いたままの冬月への想いも相まって、余計に美羽を許せない。 地獄の連鎖は止まることを知らず、宏樹と冬月も対峙する。宏樹はフリーマーケットでの美羽の笑顔を忘れられずにいた。美羽を笑顔にしたのは目の前にいる冬月であり、栞の本当の父親もまた冬月。 宏樹の大切なものをさらう憎むべき相手であるが、冬月の優しさに一度触れているから、宏樹の心中はより複雑なものとなる。