ルパン三世もSDGsに対応!? 13年ぶりにEVへと進化したフィアット500eに試乗した
チンクエチェントらしさは健在! 変わってないようにも見えるけど……
欧州をはじめ、日本でも驚くべきと言っていいほどの、大ヒット作となった3代目フィアット500(チンクエチェント)の後継車が登場。時代の流れを見据え、電気自動車へと進化を遂げた新型に試乗した。 【写真34枚】FIAT柄のシート地がオシャレ! アイコンとオープンそれぞれの詳細を写真でチェック ◆EV化とともにプレミアムへと変貌 4代目フィアット500が「500e」として電気自動車(EV)に生まれ変わったことは、本誌などで報じられているとおり。その500eが、当面はエンジン車の従来型500との併売という形で我が国に上陸した。 日本仕様はベーシックな「ポップ」、上級の「アイコン」、アイコンと同等の装備を持つキャンバストップの「オープン」の3タイプ。横浜で開催された試乗会で、アイコンとオープンをドライブすることができた。 日本の5ナンバー枠に収まりながら、全長3630×全幅1685×全高1530mmとやや拡大したボディは、一見すると従来の500そのままに見えるが、ディテールは確実にアップデートしている。 フロント・マスクでは上半分を輪郭だけにしたヘッドランプ、センターに据えた500のロゴといった新しい要素を取り入れつつ、ロゴから左右に伸びるヒゲや張り出したサイドのウインカーなど、リア・エンジン時代のフィアット500や600のエッセンスを取り入れた。 サイドではドア・ハンドルをフラッシュサーフェスとして開閉用スイッチを裏側に埋め込み、ウインドウ上端のモールは後端で回り込ませて、折り返しの部分に500eのロゴを入れている。 電動化というとドライでシームレスなイメージを持つ人が多く、実際にそういう方向で造形するクルマが多い中で、イタリアならではのデザインの力で明るさや親しみやすさを前面に押し出したセンスは、さすがというほかない。 インテリアは試乗した2台がいずれも上級仕様だったためもあるが、ポップなイメージが色濃かったエンジン車とは対照的に、大人っぽい空間に変貌していた。500万円近い価格が納得できる仕立てだし、プレミアム・コンパクトという立ち位置がさらに明確になった。