100日間コンビニで『ビスコ』を買い続けるとあだ名がつくのか? 無駄な挑戦から見える社会との交わり
「コンビニで『ビスコ』を購入し続けたら、あだ名はつくのだろうか?」という100日間におよぶ検証をしたWEB投稿が反響を呼び、書籍化『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』(光文社)された。SNSやネットの普及によりリアルな交わりが少なくなるなか、コンビニ店員とお客さんという何気ない人間関係のなかで、得たこととは? 作者の与謝野さんに話しを聞いた。 【画像】100日間コンビニで買い続けた結果…山積みの『ビスコ』が壮観! ◆よく見るあるあるネタだが、真偽を確かめたくて検証してみた ――検証を始めたきっかけは? 【与謝野さん】 WEBメディア「オモコロ」主催のコンペティション『オモコロ杯』に投稿するためでした。「店員に変なあだ名をつけられた」というSNS投稿は、よく見るあるあるネタの1つなのです。匿名性の高いインターネットでは良くも悪くもその「ネタ」の真偽がわからないので、実際に記録を取りながら検証してみようと思ったことがきっかけです。 ――とはいえ100日間毎日続けるのは大変だと思います。 【与謝野さん】 毎日同じ時間帯にコンビニに行くというのは想像以上にめんどくさかったです。期間を30日にするか100日にするか迷ったのですが、より正確さが増すと思い100日にしました。いま振り返れば100日にしてよかったのですが、本当にしんどかったです。 ――検証する際に決めたルールについて教えてください。 【与謝野さん】 あだ名に個性がでたらいいな、ということで設定した「立ちビスコ(横置きされていない商品)」「レシートビスコ(レシートを必ずもらう)」「ダブルビスコ(2つ購入する)」のマイルールですが、無意味でした。でも、「レシートを持って帰っている」「毎日2箱買っている」ということを店員さんも把握していたようで、印象付けにはひと役買っていたのかもしれません。あと、レシートに日時の記載があったおかげで、毎日通っていることが証明できて良かったです。 ――なぜ『ビスコ』だったのでしょうか? 【与謝野さん】 『ビスコ』が好きということもあります。甘すぎず、栄養価も高いイメージがあったので、大人のおやつにちょうどよく、よく購入していました。それに加えて、職場で食べやすいというのも大きな要因でした。会社によって雰囲気は違うので一概には言えませんが、職場のデスクでポテトチップスを食べるのは難しい場合もあります。『ビスコ』は仕事と相性がよく、私は毎朝コーヒーと『ビスコ』を口に運びながらメール確認などをしています。場所を選ばない品の良さが『ビスコ』を選んだきっかけですね。 ――『ビスコ』好きとはいえ、飽きがこなかったのでしょうか? 【与謝野さん】 同じことを続けるのがあまり苦ではない性格なので、毎日朝食代わりに食べるのは辛くありませんでした。ただ食べる量に対して購入する数がはるかに多かったので、在庫がどんどん増えてしまい、300日近く食べていたと思います。