100年前の鳥取を写真で振り返る…大正ロマンの洋装や和装、軍艦見物やスキー大会も
100年前の鳥取県を写真で振り返る企画展「写真展 百年前の鳥取~若き男性教員の視点~」が、鳥取市歴史博物館(鳥取市上町)で開かれている。1924年(大正13年)前後の街並みや人々の暮らしを、約140枚の写真や新聞記事などから振り返ることができる。(久保田万葉)
写真の大半は、八頭郡丹比村(現・八頭町)出身で当時20歳代の教員だった高田鉄夫さんが撮影した。学校行事や日常の暮らしぶりなどが収められている。
県内にも「大正ロマン」が浸透してきた時代で、作品の中には洋装と和装の人が混在する。当時の新聞記事や現在の写真も並び、比較しながら楽しめる。
このうち22年(大正11年)5月14日に撮影された「軍艦見物【日向・春日】」は、賀露港に停泊する軍艦を見ようと約3000人が訪れた様子を切り取った。記事では「軍艦見物で賀露は人の波」と表現されている。
23年(同12年)2月11日の「第二回スキー大会」は、学生ら約230人が参加した浜坂砂丘(鳥取砂丘の一部)の大会の一場面。スキー板をつけた厚着の若者たちが雪の上に立つ。記事には「自ら気分を緊張させる眼前には静かな雪の砂漠が展開されている」とある。
同館が2021年から定期的に開く講座「100年前の鳥取」が好評だったことから同館所蔵の写真を集めて企画した。
倉吉市の来場者(72)は「作品は100年前だが、木造の校舎などは小さい頃に見ていた風景に近く、思い出して懐かしい」と見入っていた。
横山展宏学芸員は「この100年間になくなったもの、変化したものを感じて鳥取の歴史に関心を持ってほしい」と話す。
来年1月26日まで。12月16、23、29日~1月3日、6、14、20日は休館。観覧料300円(高校生以下無料)。問い合わせは同館(0857・23・2140)へ。