延長でも決着つかず、PK戦の末に熊本国府を下した熊本学園大付が3位入賞
令和3年度熊本新人戦(新人選手権大会)の最終日となった29日、えがお健康スタジアムでは決勝戦に先立って3位決定戦を実施。延長にもつれこみながら決着がつかず、PK戦の末、熊本学園大付が熊本国府を下した。 【フォトギャラリー】熊本学園大付 vs 熊本国府 序盤からペースを握ったのは熊本国府。ロングボールを効果的に織り交ぜ、ピッチを広く使った左右への展開で押し込みながら、中盤の寺本悠起が絡むコンビネーションなどで熊本学園大付属のゴールに迫る。 しかし熊本学園大付は、負傷欠場となった主将のDF田上皓晟に代わりセンターバックに入った田上歓久郎らDF陣の早い戻りとGK細山礼桜の好反応など堅い守備で跳ね返すと、早い切り替えから積極的に熊本国府DFラインの背後へ配球し、FW千草朝陽、藤本力翔らがスペースをつく形で反撃。フィニッシュまで持ち込む場面は決して多くなかったものの、31分、自陣での相手フリーキックのボールをキャッチしたGK細山がパントキックでシンプルに前線へ送ると、相手の背後に抜け出した千草が熊本国府GK松尾悠の頭上を越す技ありのループシュートを決めて先制に成功。前半を1点リードで折り返した。 追う展開となった熊本国府は後半、前半と比べボールを動かすテンポを上げ、両サイドの縦への突破からチャンスを創出。しかしトップの花田原輝が狙った68分の場面ではクロスバーを叩き、前半にはなかったコーナーキックも抑えられるなど、なかなか得点が奪えないまま時間が進む。このまま熊本学園大付が逃げ切るかと思われたが、終了間際のアディショナルタイム80+2分、相手の隙を突いて杉本悠弥が決めて熊本国府が同点とした。 10分ハーフの延長も、追いついた勢いのまま熊本国府が優位に進める展開となったが、熊本学園大付も堅い守備で逆転は許さず、決着はPK戦へ。先攻の熊本国府は3人目が枠を外したのに対し、5人全員が決めた熊本学園大付属が3位となった。 「選手たちなりに頑張ってくれたと思うし、キャプテン田上の欠場で新たに発見できたこともあったが、PKで3位になったとは言え決定機を作られた場面も多く、ゲームの質やプレーの質は考えさせられる面が大きかったゲーム。もっと意図を持ってボールを動かしたり、高いところに基準をおかなくてはいけない」と、熊本学園大付の厚晴仁監督。ベスト4に進んだ昨年の県高校総体の結果を上回るべく、より高いところを目指して新年度に臨む。 (文・写真=井芹貴志)
高校サッカードットコム編集部