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マイクロソフト発のオープンソース言語「TypeScript」、生みの親が語る開発当初や背景

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ZDNet Japan

 Microsoftによって生み出された「TypeScript」は、「JavaScript」によるフロントエンドアプリケーションの開発効率を向上させるために同言語に型システムを追加した言語であり、オープンソース化されている。  今やTypeScriptはウェブアプリ開発時に最初に検討される言語となっているが、開発が始まった2010年頃は、まだオープンソースに恐れを抱いていたMicrosoft文化のなかで、ゆっくりと歩を進めていく必要があった。  TypeScriptの共同創案者であり、デンマークのソフトウェアエンジニアであるとともにMicrosoftのテクニカルフェローも務めているAnders Hejlsberg氏は米ZDNetに対して、Steve Ballmer氏が同社の最高経営責任者(CEO)だった2010年に、JavaScript開発者の心をつかむ唯一の道はオープンソース戦略だという決断をチームが下した際のことを語ってくれた。  Ballmer氏は2001年に、LinuxがMicrosoftの知的財産すべてを脅かす「ガン」だと発言しており、Microsoftの幹部らは2010年時点でも、オープンソースが依然として厄介な存在だと考えていた。  Hejlsberg氏は「Linuxは『Windows』にとって脅威だ(と捉えられていた)。しかし、今ではまったく逆の状況になっている」と述べた。  2014年にCEOの座を降りたBallmer氏はその後、自らの考えを改めている。また今日、CEOであるSatya Nadella氏の下でクラウドに注力しているMicrosoftは、オープンソースへの愛を示すとともに、オープンソースプロジェクトに対して無料アカウントをも提供するコードリポジトリーGitHubを傘下に収めている。  Microsoftの主なオープンソースプロジェクトには、人気のコードエディター「Visual Studio Code」(VS Code)や、「.NET Core」、そして本記事で扱っているTypeScriptなどがある。TypeScriptは、JavaScriptに型システムを搭載したスーパーセット言語であり、コンパイルによってJavaScriptのソースコードが出力されるようになっている。  2012年に公式リリースされたTypeScriptはその後、ブラウザー上で動作するアプリケーションとしてフロントエンド開発に欠かせない言語となり、SlackやAirbnb、そしてもちろんMicrosoftによって採用された。TypeScriptは今や、JavaやJavaScript、Pythonとともに、プログラミング言語のトップ10にしっかり食い込んでいる。  とは言うものの2010年当時、Hejlsberg氏はMicrosoft本社に対してTypeScriptをオープンソースプロジェクトとして売り込むことの大変さに気付いていた。TypeScriptがこの当時から間もなく10年となる中、Hejlsberg氏はMicrosoftがいかにオープンソースを恐れていたのかを振り返った。  同氏は米ZDNetに「(TypeScriptは)今年のクリスマスで10年になる」と述べ、「TypeScriptの開発は実際のところ、『JavaScriptよりも少しばかり優れたものを作れるかどうか試してみよう』という単なるアイデアがきっかけだった」と続けた。  「われわれはちょっとしたプロトタイプを作成し、かたちにしてみた。とはいえ、JavaScriptコミュニティーを魅了する唯一の方法は、オープンソース化だという点は明確に認識してもいた。ただ当時は、そうした会話をMicrosoft社内でするというのは、今とはまったく違う話だった」(Hejlsberg氏)

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