斎藤元彦氏の功績を殆ど報じなかったテレビ・新聞 報道でSNSに負けた自らの責任、どう落とし前つけてくれるのか 兵庫県知事選で再選
しかしである。
ワイドショーや週刊誌、新聞は、斎藤知事に関してこれまで「パワハラ」「おねだり」と散々報じてきた。
ワインを貰(もら)った、牡蠣(かき)を独り占めして家に持って帰った、ゴルフのクラブを貰った……。
さらに、斎藤知事を告発した県民局長を自殺に追いやったのが、あたかも斎藤氏であるかのように報じ続けた。
県議会で不信任決議が可決されたとき、新聞各紙は社説で「辞職以外に道はない」(9月21日朝日)などと書き、理由として「職員に対するパワハラ」「贈答品の節操のない受領」などを挙げていた。
9月26日のこのコラムでも書いたが、斎藤知事の功績、例えば県立大学の無償化、知事給与の3割カット、1000億円新庁舎建設の白紙化などについては、テレビも新聞も殆ど報じなかった。
自殺した元県民局長と斎藤氏が10年以上の付き合いで、何かあれば局長として進言できる立場だったことに触れたメディアも殆どない。
で、今になって、報じなかった責任を免れるためか、SNS、SNSの大合唱。
報道でSNSに負けた自らの責任は、どう落とし前をつけてくれるのか。 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)