米住宅建設業者の業況感、7カ月ぶり高水準-大統領選後に見通し改善
(ブルームバーグ): 米住宅建設業者の業況感は11月に上昇し、7カ月ぶりの高水準となった。販売見通しが大きく改善したほか、トランプ次期米政権が規制負担を緩和するとの楽観も支えになった。
指数を構成する3項目全てが上昇。特に今後6カ月の販売見通し指数は7ポイント上昇して2022年4月以来の高水準となった。販売の現況指数は6カ月ぶりの水準に改善。購買見込み客足指数は4月以来の水準に達した。
住宅建設業者は最近の販売低迷について、大統領選を巡る不透明感や、9月に2年ぶり低水準を付けた住宅ローン金利が再び上昇したことを理由に挙げていた。
約2週間前の大統領選でトランプ氏が当選したことについて、NAHBのチーフエコノミスト、ロバート・ディエツ氏は住宅業界の懸念をいくらか和らげるに過ぎないとの見方を示した。「株式相場は選挙結果を大いに好感しているが、債券市場は警戒している。長期金利の上昇がそれを示唆している」と同氏は統計発表資料で指摘。「企業部門や住宅市場にとっては目先、政権交代に伴う政策の不透明感もある」と続けた。
中古住宅との競争が限られる中、建設業者は需要を喚起しようと販売促進策を活用してきた。低金利で借り入れた住宅所有者が高金利での新たな借り入れを嫌って売却を渋る、いわゆるロックイン効果によって中古市場は低迷している。
高い住宅価格と住宅ローン金利が重なって多くの購入希望者を敬遠させており、新築住宅の在庫はグレートリセッション(2008年の金融危機をきっかけとする景気後退)以来の水準に増加している。借り入れコストは利下げ観測を背景に9月に低下したが、根強いインフレの兆候を受けて再び上昇に転じた。
NAHBによれば、値下げしている建設業者の割合は31%。値下げ率の平均は5%に縮小し、販売インセンティブを提供した業者の割合も60%に小幅に下げた。
地域別では北東部と中西部で建設業者の業況感は上昇。南部と西部では低下した。