細かなズレを修正して挑んだ全日本インカレ、中大はフルセットで専大に惜敗 柿崎晃主将「この先は、後輩たちに託します」
それぞれが、やるべきことをやった
試合を終えても立ち上がることができず、うずくまる選手もいる中、野澤監督の言葉に涙しながらも、柿崎は誰よりも先に涙を拭い、笑顔で周囲の選手たちに声をかけた。十分に力を出して戦った。結果以上に、得られたものが多くある。それを証明するように柿崎は言った。 「それぞれがやるべきことをやったし、自分の仕事を全うした。でも今日の試合に関しては相手がそれ以上でした。この1年、ここで勝つために練習からメリハリをつけて(練習の)質を上げてきた。試合に出ているメンバーだけじゃなく、出ていないメンバー、観客席で応援してくれるメンバーも全員がまとまって、全員が『勝ちたい』と思って戦うことができた。結果的にそこで1点取れるか、取れないかで勝ち負けは分かれましたけど、それでも僕はやってきたことは間違っていなかったと思えた。今まで以上に目つきを変えて、一緒に勝ちに行こうと頑張ってくれた同期にも感謝したいし、この先は、後輩に託します」 負けた悔しさをかみ締めながらも相手をたたえ、仲間をねぎらい感謝を伝える。強く、優しいキャプテンとして最後まで戦い続けた。その背中を見続けてきた後輩たちが、夢をかなえてくれる。誰よりきっと、柿崎自身がそう信じ、願っている。
第77回全日本バレーボール大学男子選手権大会
11月28日@東京体育館(東京) 専修大学 3-2 中央大学 (25-21.25-19.22-25.23-25.18-16)
田中夕子