「写真のワールドカップ」日本代表に 大分市のカメラマン木村優さん
大分市中央町のカメラマン木村優さん(34)が「2021ワールドフォトグラフィックカップ(WPC)」の日本代表に選ばれ、専門とするブライダル部門に出品している。世界の写真家が国別で作品を競う大舞台で、九州では1人だけ。「メダル獲得が目標。出場した経験を地元に還元し、写真の魅力も伝えていきたい」。結果発表を楽しみに待っている。 WPCは「写真のワールドカップ」と呼ばれる国際コンテスト。欧米の写真家団体の呼び掛けで2013年に始まった。 今回のローマ大会には38カ国が参加。コマーシャル、フォトジャーナリズムなど6部門に各国から3点ずつがエントリーされ、各部門の上位3人にメダルが贈られる。 木村さんは昨年11月の国内予選でブライダル部門の日本代表に選ばれた。 出品した作品は花嫁姿の女性をアップで捉えた写真。白い綿帽子と金色の扇子の間から力強い目元がのぞく。瞳の中の光、肌の質感、眉毛やまつげの一本一本まで丁寧に撮影している。「まっすぐな目に結婚の喜びや家族と離れる寂しさを表現した。納得のいく一枚」と手応えを語る。
父が営む木村写真本館(同所)の3代目。昨年は新型コロナウイルスの影響で結婚式のキャンセルが相次いだが、創作活動に打ち込むチャンスと前向きに受け止めた。 普段の営業用とは異なる芸術的な作品づくりに挑戦。年3回ある国際展「インターナショナル・フォトグラファーズ・アワード」に初めて応募し、2期連続で銀賞に輝いた。 WPCは今月18日に各部門の上位10人が選ばれ、4月に1~3位が発表される。 世界大会の経験も糧に、今後は県内の工芸品や特産品にもレンズを向けていく。「日本代表の名に恥じないよう努力を続け、世界のレベルに少しでも追い付きたい。大分の素晴らしさを国内外に発信できれば」と話している。