なぜ井岡一翔のドーピング問題で対戦相手の田中恒成陣営が「疑念を持っている」との質問状をJBCに送付したのか?
プロボクシングの世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、Ambition)が大晦日に戦った元世界3階級制覇王者の田中恒成(25、畑中)との試合のドーピング検査で禁止薬物が検出された問題に関して、畑中ジムの畑中清詞会長(54)が1日、JBC(日本ボクシングコミッション)と長岡勤コミッショナーに対して質問状を送付したことを発表した。質問状は4月30日付けで畑中会長は、「2020年大晦日のタイトルマッチにおける井岡選手のドーピング問題に関して、JBCに対して大変疑念を持っています。よって4月30日付でJBCコミッショナー宛に質問状を内容証明書で送付いたしました。GW明けには返答が来ることを信じております」とコメントした。 4月26日に「デイリー新潮」、「FLASH」の週刊誌報道が発端となり、大晦日の試合で井岡からドーピングの禁止薬物が検出されたことが明らかになったが、JBCは1日後に「井岡一翔選手に関して報道がなされておりますが、現在、倫理委員会にて 調査、審議を行っております。JBCといたしましては、当該倫理委員会の審議に影響を及ぼすことを避けるために、現時点においてはこれ以上の発表は差し控えさせていただきます。 尚、当該倫理委員会の結論に至りました段階で、速やかに報告する所存でございます」という意味不明のリリースをJBCの永田有平理事長名で出したのみ。井岡に関しての報道のどれをさし、倫理委員会で、いったい何を審議しているかも不明で、その後、記者会見も開いていない。 井岡陣営には、倫理委員会のスタートと、井岡自身に釈明の機会を与えることを文書で伝えたが、もう一方の当事者である田中陣営には、この日まで、一切なんの連絡もなし。公式的には田中陣営だけでなくボクシングファンも、「今何が起きていて何に関して倫理委員会を開き、何を審議しているか」もわからないという歴史と世界王者を有する日本のプロボクシングを統括する組織とは、とうてい考えられないような姿勢を続けている。 畑中会長が「疑念を持っている」とコメント。腰を上げて、内容証明という形で質問状を投げかけたのも無理はない。