「Wii U」は売上不振に終わったゲーム機、だけじゃない 次世代機へ残した功績とは
「Wii U」の悲しい幕引き
「スーパーなWii、Wii U」。 こちらは2012年12月8日発売の家庭用ゲーム機「Wii U」の販促CM内で用いられたキャッチコピーです。リモコン型コントローラーを採用し、画期的なプレイスタイルで話題を集めた「Wii」が約6年の現役期間を終えた後、満を持して登場したのがWii Uでした。 【画像】「Wii U」で多くの人が遊んだソフトは? 全体的なフォルムはWiiをベースにしつつも、任天堂の家庭用ゲーム機では初となるHD映像出力を実現。美麗なグラフィック表現に欠かせない映像技術において、既にHD化を果たしていた「プレイステーション3」や「Xbox 360」と同じ土俵に並んだのです。 そして最大の特徴は本体同梱の「Wii U GamePad」。縦7.8cm×横13.8cmほどのコントローラーで、中央部に備えた液晶ディスプレイにゲーム画面を表示させることができました。テレビ側とパッド側の映像を連動させてゲームが遊べるだけでなく、モードを切り替えればゲームパッドのみでプレイすることも可能。リビングの共用テレビを占有せず、手元のゲームパッドでソファに寝転がりながらゲームを楽しむ……といった利用方法も生まれました。 任天堂が”スーパーなWii”と銘打った通り、正当な後継機として世に送り出されたWii U。しかし純粋な売上だけ見ると、決して良い実績を残せたとは言えません。任天堂が株主・投資家向けに公開した資料によれば、2020年9月時点の世界売上は1,356万台。対して前世代機のWiiの世界売上は1億163万台売上となっており、単純に比較しても約8倍違います(ちなみに「Nintendo Switch」はリリースから約3年で6,830万台を売り上げています)。 なぜWii Uはローンチから3~4年で幕引きしてしまったのか。「メインユーザー層があやふやだった」、「プレイステーション4やXbox Oneが登場した」等々、細かな要因はさまざまですが、大きなもので言えば「新作ソフトの供給不足」が挙げられるのではないでしょうか。