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創業56年の“密かな人気店” 所沢の中華料理屋で「400円のラーメン」を頼んだら、常連に愛される理由がわかった!

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文春オンライン

 西武新宿線所沢駅の西口を出て、すぐ右側の「プロペ商店街」を直進。交差する昭和通りを進んで「ファルマン通り」交差点を越え、最初の路地を右に入ると、すぐ左側に真っ赤な日よけ看板が現れる。 【画像】昔ながらのラーメンは400円! 所沢の“密かな人気店”「栄華」の写真を見る  赤地に「中華料理」と白抜きされた暖簾も、「サッポロラーメン 御食事」と書かれた白地の看板も、年季の入りまくった建物自体も、すべてが昭和そのもの。  予想どおり、“アタリ”だなと感じた。これぞ、まさしくB中華。

20年以上前から気になっていた“渋い看板”

 訪れたのは、今回が初めてだ。しかし、実はもう20年以上前から気になっていたのだった。埼玉西部にある妻の実家からの帰り道に、車でファルマン通り交差点を通り過ぎる際、「中華料理」という看板がチラッと見えていたからだ。  その渋すぎる映像が頭から離れなかったため、いいかげん足を運んでみなければいけないと思い立ち、車ではなく西武線に乗って訪ねてみたのだ。  3月中旬のことである。そののち新型コロナ騒動が予想以上に大きくなり、スケジュール変更などの雑事に追われているうちに時間が経過してしまったのだった。だが、やがて緊急事態宣言が発令されたので、あのタイミングを逃していたとしたら、かなり先まで行けなかったかもしれない。

平日の午後3時に訪れてみると……

 いずれにしても、二十数年も抱え込んできた思いを胸に抱いての訪問。気持ちが昂らないわけがない。  とはいえ所沢の路地裏に佇む地味な店であり、しかも平日の午後3時近くだ。昼休みを入れず通しで営業しているようだが、「開店休業状態かもしれないなぁ」と思いながら引き戸を開けた。  驚いたのは、そんな予測が見事に外れたからである。右に2つ、左に2つ、計4つあるテーブル席にはそれぞれ一人客が座っていて、つまりすべてのテーブルが埋まっていたのだ。

時代が止まったような味わい深さ

 奥にはカウンター席もあるのだが、孤立した状態になる構造なので、ちょっと座るのを躊躇してしまう。どうしたものかと思いつつ、「私、出ましょうか?」と声をかけてくださった男性に「いえいえ、大丈夫です」と恐縮していたら、「相席でよろしいですか?」と奥様らしき女性から声をかけられた。  もちろん断る理由もなく、品のよさそうな70代男性が座る席に、相席させていただくことにする。  それにしても予想どおり、いや、予想以上に味わい深い店だ。壁が飴色になっていて、テーブルも椅子も使い込まれている。「時代が止まったようだ」という使い古された表現が、ここまで似合う店も珍しいのではないか。なんだか、映画にでも出てきそうだ。  お客さんは全員が常連さんだったようだが、愛される理由がなんとなくわかる。訪れる人の日常のなかに、自然な形で組み込まれているような雰囲気があるのだ。

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