イーロン・マスクは何を目指しているのか? Twitter→「X」に名称変更…専門家が解説
◆名称「X」への執着
吉田:「X」という名前にも、こだわりがあるようですね? 塚越:ユーザーからは人気のない「X」という名前ですが、これはイーロン・マスクがこだわりを持ってつけています。1999年、イーロン・マスクは後に、オンライン決済代行サービス「PayPal(ペイパル)」と合併して富を築くことになるオンライン決済会社を設立しているのですが、その会社の名前が「X.com(エックスドットコム)」です。このときからすでに「X」に執着しているのですが、当時からすでに周りからの評判も良くありませんでした。 さらにイーロン・マスクが設立した衛星打ち上げ企業の名前も「SpaceX(スペースX)」です。この企業は民間人のみで初めての宇宙旅行をおこないました。また、イーロン・マスクは電気自動車の「Tesla(テスラ)」も設立していますが、車の名前は「Model X(モデルX)」です。他にも、子どもの名前や他のベンチャー企業にも「X」をつけることが多く、彼の好みが出ています。
◆イーロン・マスクが考える今後の展開は?
ユージ:Twitterを「X」に変更することによって、イーロン・マスク氏は、今後、どのような展開を考えているのでしょうか? 塚越:イーロン・マスクは以前から、「スーパーアプリを作りたい」と述べています。例えば、SNSだけでなく、音楽やビデオを楽しめたり、「○○ペイ」のような決済もできたりするアプリを作りたいと。 国内で普及しているアプリで言えばLINEに近く、中国で普及している「WeChat(ウィーチャット)」などがより近いです。「X」は最終的にはSNSだけでなく、YouTubeやPayPay、さらに銀行やAmazonのような通販機能も全て備わったアプリを目指しています。 ただでさえ業績は悪化して、お金がないと言われているなかで、そのようなことがどこまでできるかと問われれば、一般的には「無理」と言わざるを得ません。ネットでほとんどのことができる場所の名前を「X」にしたいとマスクは考えていますが、ブランドは名前から何から綿密に設計される必要があり、その面から見ても微妙かなと思います。