きっかけは書き込み ビッグボスに急転直下「10番」で起用された杉谷拳士が勝利に導く適時打【日本ハム】
◇29日 日本ハム7―2巨人(札幌ドーム) 日本ハムファンとビッグボスの共同作業でドラマが生まれた。4回無死満塁。巨人・畠から右前へ自身今季初となる適時打を放った杉谷拳士内野手は、ど派手に右手を突き上げた。「ファンに選んでいただいてのスタメンだった。皆さんのパワーがバットに乗り移ってくれた」。希代のムードメーカーの一打を呼び水に打線が爆発。この回一挙4得点を挙げて試合を決めた。 試合前の練習時に新庄剛志監督が行ったインスタライブがドラマの序章だった。ビッグボスは林ヘッドコーチと相談しながらスタメンを組む過程を公開。不振の杉谷はスタメン候補から真っ先に除外していたが、起用を望むファンの書き込みが多いと知り、「9番・二塁」に急転直下で起用した。 新庄監督は杉谷に、「(打順は)10番で」といたずらっぽくスタメンを告げたが、試合ではその“10番”に次々とチャンスが回る。1―1で迎えた2回1死二、三塁では、「内野が下がっている。転がして何とか1点と思った」(杉谷)と計算通りの遊ゴロで勝ち越し。4回のビッグイニングも演出した。 杉谷はコンディション不良で出遅れ、今月半ばに1軍に昇格したばかり。「不安はあった。ただ、自分の役割はチームに勢いをもたらすこと。きょうは結果を出せた」。若手が次々と台頭する中、ベテランが確かな存在感を示した。 先発全員安打での快勝で、巨人に2勝1敗と勝ち越し。新庄監督は「選手に聞いてちょ」と上機嫌でコメントを残した。お立ち台では、かぶり物で球団キャラクター「しゃけまる」に扮(ふん)した杉谷が「拳士、今日は頑張ったね」とおどけた。勢いは最高だ
中日スポーツ