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【医師に聞く】大腸の内視鏡検査って痛そう…痛みを和らげる方法ってあるの?

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Medical DOC

がんによる死亡者数の部位別上位を占める大腸がん。その有効な早期発見方法が、大腸の内視鏡検査です。しかし、カメラを体内へ挿入するのは、「怖い」「つらい」「痛い」といったイメージがつきまといます。はたして、実際のところはどうなのでしょう。日本消化器内視鏡学会専門医でもある、「りつの内視鏡クリニック」の立之先生を取材しました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

【この記事の監修医師】 立之 英明先生(りつの内視鏡クリニック 院長) 北里大学卒業。国立病院機構仙台医療センター消化器内科勤務、順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科准教授などを経た2019年、生まれ育った相模原市内に「りつの内視鏡クリニック」開院。日本消化器内視鏡学会専門医として携わってきた20,000例以上の治療経験を、地域医療に還元している。医学博士。日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医・指導医、日本ヘリコバクター学会H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医、日本内科学会総合内科認定医。

大腸には難易度の高い「S字クランク」が存在する

編集部: 大腸内視鏡は肛門から挿入するのですよね。痛みはありますか? 立之先生: 個人差はありますが、一般的には痛みを感じる方が多いですね。大腸内視鏡検査による痛みには、内視鏡を挿入する際に生じる肛門部の痛みと、内視鏡が大腸を通過する際に生じる痛みがあります。大腸そのものには、痛みを感じる神経は通っていませんが、内視鏡によって押されたり動かされたりした大腸が、周辺の神経を刺激するため痛みが生じます。とくに「S状結腸」という、内視鏡の通過が難しい部分で痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。 編集部: まずは、わかりやすい肛門部に起こる痛みの対処法についてお願いします。 立之先生: 塗り薬タイプの局所麻酔で痛みを緩和します。痛みは和らげてくれますが、肛門の筋肉には影響しないので、検査後の排便機能には影響しません。 編集部: 続いてS状結腸の痛みについてですが、そもそも、どういう仕組みになっているのでしょう? 立之先生: S状結腸は文字どおり「S字」のように鋭く曲がっていて、周囲に固定されず、宙づり状態でぶらぶらしています。ということは、「押すと動く」のです。このため、「S字」の状態で無理に内視鏡を押し進めていくと腸が伸ばされて周辺の神経を刺激し、痛みが生じます。 編集部: この場合の痛みに対する対処法は? 立之先生: 方法としては二つあります。一つ目は、鎮痛・鎮静剤を用いて痛みを軽減する方法です。静脈麻酔薬を用いることで内視鏡検査を眠っている間に済ませられますので、過度な緊張もとれ、患者様がリラックスした状態で検査を進めることができ、実質的な痛みをほとんど感じません。鎮痛薬には「オピスタン」という薬を用いるのが一般的です。 編集部: もう一つの方法についても教えてください。 立之先生: もう一つは、内視鏡操作の工夫によって痛みを軽減する方法です。無数にある大腸のひだを一つずつ折り畳むようなイメージで内視鏡を進め、S状結腸を直線化して丁寧に内視鏡を進めていきます。そうすれば周辺の神経を刺激せず、内視鏡を進める事ができます。麻酔薬を使うのが怖いという方もいらっしゃいますが、このような内視鏡を直線化する技術を用いる事で麻酔の量を減らすことができます。薬の種類も患者様に合わせて調整することができますので、担当医の先生に遠慮せずご相談ください。

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