乳がん治療は「選択と決断の連続」 38歳で罹患した女性が現在の病院を選んだ理由とは
38歳で乳がんに罹患したライターの島田みゆさん。病気が判明したのは今年2月のことでした。3月末には右胸の全摘手術を受け、現在は薬物療法中です。それまで健康そのものだったという島田さんにとって、罹患はまさかの出来事。そんな実体験を通して、同世代の女性に乳がんのことを知ってほしいという思いでこの連載を綴っています。第5回は生体組織診断(生検)後の病院選びについて。患者本人の希望や病状の進行具合によって、選ぶ病院は変わってくるようです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです) 【画像】仕事や出産のチャンス…がん罹患で何かを失う「キャンサーロスト」の1位は? 経験者は約8割 「離婚した」という声も ◇ ◇ ◇
医師に言われた乳がんの病院選びのポイント
乳がん治療はまさに選択と決断の連続。最初の選択となるのが病院選びです。生検をした日に、クリニックの医師が病院選びの際に考えるポイントを簡単に教えてくれました。 ○乳がん治療は長い=病院や医師とも長く付き合うことになる ○治療方針によっては、毎日通院になることもある ○物理的にも精神的にも、通いやすさは大事なポイント ○基本的に「どこの病院は治療が劣る」といったことはない 「結果が出るまでの2週間、少し調べて目途をつけておいた方が良いかもしれません」と言われたため、候補に挙がった病院やそもそもの病院選びについて調べてみました。
治療方針がある程度決められている「がん診療連携拠点病院」
「がん診療連携拠点病院」とは厚生労働省の指定病院で、専門的ながん医療や相談支援、情報提供などを実施します。ここでは標準治療に沿って治療方針が決められるため、病院や医師によって治療に大きく差が出ないことを知りました。 クリニックの医師が教えてくれた候補の病院は、いずれもこの「がん診療連携拠点病院」だったので、「治療の優劣があるわけでない」という言葉の意味も理解できました。もちろん医師との相性も大事ですから、「がん診療連携拠点病院」であればどこでもいいというわけではありません。しかし、少なくとも「必要な治療が受けられないかもしれない」という心配はなくなります。 現在の「がん診療連携拠点病院」は、厚生労働省のウェブサイトから調べることができます。