出口治明×弘中綾香「『おっさん的価値観』に、馴れ合ってはいけません」
出口治明さん×弘中綾香さん【「おいしく」生きるヒント】
これから先、どんな人生を送りたいか。どんな人と出会いたいか。どんな自分でありたいか― ― 。新型コロナウイルス感染症の出現で、誰もが自分自身の今いる場所を見つめ直した2020年。これからの私たちの“生き方”について、明るく力強い提言をくれる本がベストセラーになった。 気になる【あの人】の記事はこちら! 『還暦からの底力 歴史 ・ 人 ・ 旅に学ぶ生き方』―― 。with世代にとって、“還暦”なんてまだまだずっと先の話だけれど、本に書かれているのは、年齢の話じゃない。そこにあるのは、好きなことをして、楽しく、心豊かな人生を送るためのヒントの数々。 本を読んで感銘を受けた弘中さんと出口先生の「おいしい人生」を送るための冬期集中講座、ここに開講!
世界の全体像をより正確に認識するためには、「数字」と「ファクト(事実)」「ロジック(論理)」を積み上げていくこと。
弘中:インターネットの発達で、情報や知識を獲得することが容易になりました。ただ、ネットには情報が溢れすぎています。その素材が本物かどうかを見極めるにはどうしたらいいですか? 出口:学習するときは、物事の見方を磨くことが大切です。僕は、世界の全体像をより正確に認識するためには、エビデンスたり得る「数字」と「ファクト(事実)」を拠り所として「ロジック(論理)」を積み上げていくこと、つまり「リアリズムが何よりも重要である」と常々考えています。 Googleで検索するべきは、エピソードではなく、エビデンスでなければいけません。物事をしっかり議論するためには、出所が明らかで、相互に検証可能なデータを使って、ロジックを積んでいくことが究極的な議論の方法です。 一日2冊本を読むことを習慣にされている一橋大学の楠木建先生は、講演で「某巨大通販サイトの書評を参考にしますか?」と聞かれ、「匿名の人間が書いた感想など、そもそも参考に値しません」と答えられていました。 僕も、書評を読むなら新聞に限ると思います。大新聞は見栄っ張りなので、権威ある人を引っ張ってきて、実名で書いてもらっている。書き手も、自分の評判に関わるので一所懸命読んで、書くわけです。だから新聞の書評は読む価値があります。 ブラウス¥19000、スカート¥24000/JILLSTUART(ジルスチュアート ルミネ新宿店)