中国版インスタグラム「小紅書」、旅行業界にもたらす変化とは
アプリの裏側
「小紅書」という名前は、中国建国の父、毛沢東の言葉を引用・編集した赤い表紙の「毛主席語録」にちなんで付けられた。 上海に本社を置く小紅書は、2013年に友人同士だったチャールウィン・マオ氏とミランダ・ク氏が、中国のネット市民が自分の生活に関するさまざまな情報を共有するための手段を提供する目的で設立した。 中国のソーシャルメディア調査会社、千瓜数据によると、今や小紅書は、中国で最も人気のあるプラットフォームの一つで、ユーザー数は3億人に達し、その半数は都市部に住む35歳未満の人々だという。 またコンテンツのジャンルも、おすすめの観光スポットだけでなく、日常の出来事や、メイクのコツ、ファッションガイドなど、多岐にわたる。 欧州の一部の企業は、この小紅書の人気にあやかっているようだ。ロンドンで2軒のタパス専門レストランを経営しているロボスは、今年8月、「ロボスが正式に小紅書に登場!」と中国語で初投稿を行った。 レストランのディレクターの一人、ジョエル・プラセレス氏は、このアプリを活用することで、中国人コミュニティとの直接的なつながりを築き、リーチを拡大し、レストランの可視性を高めることができる、とそのメリットを語る。 実際、小紅書には、ロボスのレストランに関するユーザーのレビューが数多く寄せられており、小紅書で「いいね」の数が最も多い料理は、レストランでも注文数が増える傾向にあるという。そのため、人気料理は注文システムにさらに追加し、スタッフが中国人旅行者の注文を受けやすくする措置を取っている、とプラセレス氏は付け加えた。