閉会中の市議の文書質問「1回1問」条例改正提案へ、応対職員7割が「業務に支障」…「他者おとしめる質問に疲弊」の声も
市議会閉会中に市議から文書質問が多く出され、職員の負担になっているとして、奈良県香芝市は28日、閉会中の文書質問を「1議員につき1回1問」とする市議会基本条例の改正案を12月議会に提案すると発表した。市議の質問を制約する改正案で、12月2日開会の定例会で議論になりそうだ。
文書質問に応対した職員ら38人が回答したアンケートでは、約7割が「業務に支障があった」と答えた。中には「他者をおとしめるような質問への対応で、心身が疲弊」「文章が不正確で趣旨が分からず、対応に苦慮」などの意見があった。
文書質問は同条例で「閉会中に市長等に対し、文書による質問を行い、文書による回答を求めることができる」と規定。現在は質問回数に制約がないため1人で何度も行う市議もいて、今年7月には7回、8月1回、10月3回、11月4回の文書質問が行われた。
1回の質問に対し、事務処理に最長で58時間かかったケースもあったという。
三橋和史市長は「法的判断を問われ、弁護士に何度も相談した事例もある。市議の質問を制約するのは心苦しいが、会期中は議会対応に専念しており、配慮願いたい」としている。