モルドバから世界へ 日本未上陸の新進ブランド「OK KINO」の繊細なものづくりの背景を探る
モルドバで、高品質の現地生産を確立できること
ー独立した新進ブランドのデザイナーとして、現在もっとも挑戦的だと感じることは何ですか? 課題のひとつは、資源不足にあります。資金やマーケティング予算が限られているため、ブランドの進歩が遅れ、創造的な取り組みに制約が課せられています。 しかし、それらは私たちに既成概念にとらわれずに考え、型破りな解決策を追求するよう強いる、成長のための要素のひとつと捉えています。ハードルはあるものの、こうした制限を乗り越えることで、より慎重な意思決定ができるようになるので、挑戦的な環境は決して悪いことだとは思っていません。 ーファッション業界において、モルドバは新興国ではありますが、メジャーな市場とはまだ言えませんよね。ここを拠点にすることの、強みは何だと感じていますか? 私たちが考える強みのひとつは、高品質の現地生産を確立できることです。 モルドバに拠点を置くことで、熟練した職人やメーカーと緊密に連携することができ、製品の信頼性を高めることができます。同時に、私たちが直面している大きな課題は、主要なファッションの中心地からの地理的な距離です。 この遠隔性により、世界市場、業界イベント、ネットワーキングの機会へのアクセスが妨げられることがあります。これを乗り越えるためには、私たちがより積極的にインターナショナルなコミュニケーション方法を模索し、広範な規模で取り組みを発信することだと考えています。
ー「OK KINO」の今後の展望は。 今、私たちは仕事のプロセスを楽しみ、常に新鮮さを感じています。創造という行為と、それを他の人と共有する機会をますます楽しみたいです。そして、この感情を維持することが何よりも大切です。 つまり、燃え尽き症候群を避け、情熱を長期的に維持することを目指しています。将来に向けて、私たちは独自性を堅固に保ちながら、独立した国際的なブランドになることを思い描いています。