20年度上期のアルミ製品総需要、コロナ禍で2割減の167万トン
2020年度上期(4~9月期)のアルミ製品総需要は、前年同期比21・0%減の166万7740トンだった。新型コロナウイルスの感染拡大で自動車向けなど幅広い分野が低迷し、重量ベースでは45万トン減った。自動車向けがメインの鋳造品、ダイカストがそれぞれ3割以上減少したほか、全体の半数を占める圧延品も1割以上減少。製品別では地金と電線のみが前年同期を上回った。 製品別では過半を占める「圧延品」は、半輸送機器向けの停滞で82万174トン(15・2%減)。また「ダイカスト」は33万6426トン(32・5%減)、「鋳造品」が13万8614トン(37・1%減)でいずれもカーメーカーの生産ライン停止・稼働縮小の影響を色濃く受けた。「鍛造品」は1万7450トン(18・5%減)と鋳造品などと比べると落ち込み幅は限定的だった。 このほか「製鋼用その他」は6万5593トン(23・7%減)、「粉」が3701トン(34・0%減)、「輸入製品」が26万1461トン(10・1%減)にそれぞれ減少した。「電線」はインフラ需要の増加や輸出向けの倍増などを受けて1万5282トン(9・8%増)となり、「地金」も9039トン(13・2%増)だった。 また製品需要を用途別で見ると、自動車などを含む「輸送」は58万1611トン(32・8%減)にとどまり、シェアも前年同期の41%から35%に低下した。一方で10~14%のシェアで並ぶ4品種は「建設」が21万1659トン(15・3%減)、「金属製品」が23万4900トン(14・7%減)、「その他」が24万8861トン(10・6%減)へそれぞれ1割以上の減少示す一方で、「食料品は」21万9368トン(3・6%減)と落ち込みは限られた。このほか「輸出」は主力の圧延品が減速して7万1917トン(26・9%減)と低迷。「一般機械」や「電気機械」、「化学」も軒並み減少となったが、「電力」は9497トン(2・4%増)と唯一の増加だった。 なお総需要から輸出を除いた「内需」は20・7%減の159万5823トンだった。全体に占める割合は95・7%(0・4ポイントアップ)だった。