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被収容者に手錠をかけて拘束。密室で行われる入管の暴力

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HARBOR BUSINESS Online

この暴行事件は「氷山の一角」!?

 裁判は今まで2回の口頭弁論が行われただけだが(デニズさんは外出許可がもらえず出廷できない)、2回目の12月19日、裁判後に大橋弁護士が集会を開催し、そこで初めて筆者らは映像を目の当たりにしたのだ。その衝撃的な映像に、大橋弁護士は「このままでは、入管の収容施設はアブグレイブ刑務所のようになってしまう」と語った。  アブグレイブ刑務所とはイラクにある刑務所で、イラク戦争で米軍が捕虜にした旧政権側関係者に対し、看守役の米兵数人が、複数の捕虜を裸にしてピラミッド状の山を作ったり、犬をけしかけたりなど、肉体的、精神的な虐待を行ったことで世界を震撼させた。  少なくとも入管施設は密室であり、誰が何をしようともそこからの情報が出てくることはめったにない。だが今回、それが明るみに出たことで、関係者は「これは氷山の一角に違いない」と思っている。  映像が公開されたその夜には、早速共同通信が編集した映像をネット配信した。  これを見た一人がデニズさんの日本人妻であるHさんだ。実は筆者もHさんも、デニズさんとの面会で幾度も暴力を受けたことは聞かされていた。だが正直、あそこまでの人間の尊厳を壊されるほどの暴力とは思ってもいなかった。  翌日、Hさんから電話が入った。Hさんは相当なショックを受けていた。 「映像を見ました。見ている途中で、私の愛する人がこんなひどい目に遭っていたのかと思ったら、体がブルブル震えて、昨夜は一睡もできませんでした。今も、メールしようにも指が震えて文字を打てないので電話しました。彼は大声を出して薬を求めただけ。それが、ああいう扱いになるのでしょうか」  ただ、筆者もHさんもある共通の感想を抱いていた。それは、デニズさんがあの複数の職員の暴力に屈しなかったことだ。もし筆者ならあの場でおとなしくなり、「はい、はい」と指示に従うと思う。だがデニズさんは制圧されているときでも、何度も「なぜ、あなたたちは私に暴力をふるった!」と声を上げ、ひるまなかった。怒鳴り返されても質問をやめなかった。  Hさんは電話の最後にこう言った。 「あの映像を見て、私は彼を誇りに思いました」

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