「103万円の壁」3党合意も…「給与と社会保険料の負担が増え、中小企業は今後さらに厳しくなる」南関東のコンビニ経営者の嘆き【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
11月中旬以降の気温低下やブラックフライデーセールで秋冬衣料活発化。景況感を押し上げ
今年は残暑が厳しく、10月の「気温」関連現状判断DIは40.1で9月48.1から8.0ポイント悪化し、景況感の悪化要因になっていました。一方、2~3ヵ月先の先行き判断での「気温」関連DIは9月56.5、10月54.7で、気温が落ち着けば、景気に対するマイナスの影響がなくなるとみていました。これは11月に実現しました。 11月は中旬以降の気温低下したことで秋冬衣料活発化などが景況感押し上げに働いたようです。11月の「気温」関連現状判断DIは53.2で10月40.1から13.1ポイント改善し、判断の分岐点50を上回り、景況感の改善要因になりました。また、11月の「気温」関連先行き判断DIは53.3で、現状と先行きとも景気判断の分岐点の50を上回りました。 南関東の衣料品専門店・統括が「気温の低下、ブラックフライデーなどのセールにより、来客数が回復しており、売上を押し上げている」「良くなっている」という判断のコメントをしています。 衣料品専門店・現状判断DIは11月50.4と2年半ぶりの50超に 衣料品専門店の現状判断DI(原数値)は今年の夏では猛暑の影響で、7月~9月では業種別では一番低い3ヵ月連続40割れでした。しかし、11月には気温の低下で秋冬物衣料が活発化し、50.4と22年5月の50.9以来の50超になりました。
11月に「価格or物価」関連現状判断DIはやや持ち直すも、景気の足を引っ張りつづける物価高
10月「価格or物価」関連現状判断DIは40.4で23年1月の35.1以来の悪い水準になりました。先行き判断DIは40.0でこちらも23年1月の38.2以来の悪い水準に。11月では「価格or物価」関連現状判断DIは40.5、先行き判断DIは42.6になり幾分持ち直しましたが、依然、物価高が景気の足を引っ張っています。 全国消費者物価指数でみると、24年は5年連続で、食料の前年比が、総合や生鮮食品を除く総合の前年同月比を上回る見込みです。食料の価格高騰が景況感の足を引っ張る状況が長く続いています。異常気象の影響で、かわるがわる何某かの食品が高騰するような状況で、天候要因は一時的な要因ではなくなっています。自然相手ですから、金融政策や補助金での対応だけでなく、食糧政策などをどうするかを含めた総合的な対応が必要になってきているのかもしれません。