宇宙で醸す 「獺祭」1本1億円で販売 国際宇宙ステーションで醸造
日本酒獺祭(だっさい)を醸造する旭酒造(山口県岩国市)は11日、宇宙での酒造りに挑戦すると発表した。原材料を入れた装置をロケットで打ち上げ、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で醸造。地球に持ち帰り、100ミリリットル入り瓶1本を1億円で販売する。来年後半のロケット打ち上げを目指す。 酒米の山田錦、こうじ、酵母、水をきぼう内部で宇宙飛行士が混ぜ合わせる。発酵させたもろみ約520グラムを冷凍して地球に持ち帰り、絞って清酒にする。分析に必要な量を除いた100ミリリットルを瓶に入れて「獺祭MOON―宇宙醸造」として1億円で販売。全額を日本の宇宙開発事業に寄付するという。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)のきぼう有償利用制度で7月に承認された。三菱重工業と愛知県のあいち産業科学技術総合センターの協力で準備し、醸造装置の開発に取り組んでいる。 旭酒造は人類の月面移住が実現する可能性を念頭に「将来的に米と月にあると言われる水を使い、月面で獺祭を造りたい」と説明。その第一歩として今回は地球の約6分の1の月面の重力を再現した環境下で醸造する。
中国新聞社