【七夕賞】オーナーの夢「有馬記念出走」へ 逆算すれば今回がVチャンス!ヒュミドール〝勝負の鞍〟
[GⅢ七夕賞=2022年7月10日(日曜)3歳上、福島・芝2000メートル] 先週の競馬では大きな夢や目標が達成される瞬間を目にできた。 まずは国枝調教師は土曜(2日)函館10Rをクライミングリリーで勝って、史上15人目のJRA通算1000勝を達成。そして、日曜(3日)の小倉GⅢ・CBC賞ではルーキー・今村聖奈が重賞初騎乗初勝利の快挙を達成。「小さいころから夢見てきた舞台」にわずかデビュー4か月で参戦して、アッサリ勝利を手にするのだから本当に大したものだ。 もっとも、両者にとってここはひとつの節目であり、あくまで通過点としてさらなる高みを目指していくのだろう。年始や夏休みに立てた目標もろくに達成できなかった当方。競馬記者になった今、全レース的中とは言わないまでも「1か月に最低3つの重賞的中」というくらいの目標はしっかり達成したいのだが…。 さて、今週の七夕賞。ここに出走するヒュミドールにとっての夢・目標は「オーナーさん(サンライズ)も有馬記念に出たいということなので」(小手川調教師)と暮れのグランプリ出走だ。「そのためにもどこかで重賞を勝ちたいですね」と続けた小手川師。今年も半分を過ぎ、残された時間を考えると一戦一戦が勝負となる。 となると“V確率”が高いのはここではないか。同舞台の重賞(福島記念)で2着。小倉記念2着を含めて小回りローカルコースは現状ではこの馬のベスト舞台だ。「福島2600(2勝クラス・信夫山特別)を勝った時もそうだし、小倉記念で2着した時も3角からマクるような競馬。持久力を生かすような競馬が合っている」。それゆえ、勝負どころからペースが流れて持久力を問われる消耗戦になりやすいローカルコースはピッタリというわけだ。 肝心な状態面も「前走(大阪杯15着)のダメージを残さないように放牧でリセット。1週前に併せ馬でやってスイッチが入ってきたし、週末にさらに“磨き上げる”ような調整。気持ちも乗ってきて、いい状態に仕上がりそうです」と不安はない。 6歳とはいえ暑さにへこたれることもなく、まだまだ馬は若い。暮れのグランプリという大目標へここでしっかりと結果を出し、大舞台への出走権をグッと引き寄せてくれそうだ。
山口 心平