センサー不要のバッティング解析、結果もすぐに 富士通が半導体展で披露
服を着たまま骨格分析できる技術が、スポーツを中心としたさまざまな分野に広がりつつある。 【関連写真】映像を撮るだけで高速・高精度の解析が可能 11日から13日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催した半導体の国際展「SEMICON Japan 2024」の体験型エリアに出展した富士通は、人の動きをデジタル化するデータ解析プラットフォーム「Human Motion Analytics(HMA)」を使い、バッターのスイングを解析する新システムを展示した。 力いっぱいスイングする来場者。解析結果を見ながら説明を受け、自身の動きがスコアとして表示されることに感心した様子だった。 HMAは4台のカメラで動きを捉え、人の動きを3Dで骨格化する。センサーを身体に装着せずに計測できるマーカーレスが強みで、映像を撮るだけで高速・高精度の解析が可能。写真を使った解析もできる。 スポーツ分野ではゴルフ向けなどに導入実績がある。野球でも計測・検出できるよう、野球選手や指導者向けのデータ分析やコンサルティングを手掛けるネクストベース(東京都品川区)と共同でアプリケーションの開発を進めている。 ネクストベースの友貞裕雄取締役は「アメリカでは動作解析を取り入れる動きが多い。日本でも広まるだろう」と話す。動作測定に加えて、球の回転数や回転軸などの球質の分析も普及しつつあり、投球前の動作分析でプレー改善の効果が高まるとしている。野球界の発展にもつながる。 富士通のグローバルソリューションビジネスグループHuman Digital Twin事業部の吉冨雄介マネージャーは「提供の一歩手前まで来ている」とし、早期にリリースしたい考えを示した。
電波新聞社報道本部