一体どうしたのか…。欧州、絶不調に陥る名門クラブ(6)もはや修復不可…。最悪のオーナーの元でクラブが崩壊
2024/25シーズンも中盤戦に差し掛かっている。国際大会の影響もあって各選手の疲労が色濃い中、勝利から遠ざかっているクラブも多い。今回は、欧州主要リーグに所属する名門チームの中で絶不調に陥っているクラブを紹介する。※情報はすべて12月8日時点。スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。
バレンシア(スペイン) 監督:ルベン・バラハ リーグ成績:2勝4分8敗(19位) 21世紀前半に栄華を築いた名門バレンシアが、ラ・リーガで降格圏の19位に低迷している。この現状はかなり厳しいと言わざるを得ないだろう。 選手時代に10年間バレンシアでプレーしたルベン・バラハは、チームが降格の危機に瀕していた2023年2月に古巣の監督に就任し、残留へと導いた。昨季は9位と降格争いとは無縁のトップハーフフィニッシュを果たしており、今季も安定した戦いが期待されていた。 ところがクラブに補強予算を投じないオーナーのピーター・リム氏の下で戦力補強が進んでおらず、特に今季は例年以上に選手の上積みがない。今夏に選手獲得で使った予算はわずか135万ユーロ(約2.2億円)で、フリートランスファーと他クラブで余剰戦力となっている選手のドライローンが大半だった。 課題としてあった攻撃陣の補強も進まず、若手中心のチームの戦力はアップデートどころか大きく後退。満足のいく補強ができないままシーズンが開幕すると、一時は最下位へと沈み、第16節終了時点で降格圏の19位に低迷している。 こうした危機的状況にファンのフラストレーションは最高潮に達しており、スタジアム内外でオーナーの退陣を望む抗議活動が行われている。バラハ監督自身も「オーナーからの投資がない限りはこの現実が続く。チームにバリエーションが足りておらず、ゲーム展開を変える選択肢がない」と、クラブに対して誠意を示さないオーナーへの不満を述べている。 降格危機に瀕している現状を打開するには、冬の移籍市場で補強に動くしかないだろうが、現オーナー体制でのサポートは期待できない。このままラ・リーガで一時代を築いた名門は2部へと降格してしまうのだろうか。
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