36年の歴史に幕を下ろす「スバル・レガシィ」の歩みを振り返る
「アイサイト」を4代目から導入
続く3代目のレガシィが登場したのは1998年6月のことだった。まずはツーリングワゴンと、レガシィ グランドワゴンを改名した「レガシィ ランカスター」から発売され、半年後の12月にはセダン版である「レガシィ B4」を追加した。 この世代のレガシィも5ナンバーサイズであることは死守しつつ、全体を的確にブラッシュアップ。また、全車種が4WD(シンメトリカルAWD)となったことも特徴といえる。 パワーユニットは最高出力280PSの2リッター水平対向4気筒ツインターボ(AT車は260PS)と最高出力170PSの2.5リッター水平対向4気筒自然吸気、最高出力137PSと155PSの2リッター水平対向4気筒自然吸気に加え、2000年5月には、新開発された最高出力220PSの3リッター水平対向6気筒エンジン「EZ30」を「ランカスター6」に搭載。この3リッター水平対向6気筒は2002年1月にツーリングワゴンとB4にも搭載され、一部の好事家から人気を集めた。 初代から3代目にかけてのレガシィも素晴らしいモデルだったといえるが、「歴代最高のレガシィ」と呼ばれることが多いのは、2003年5月に登場した4代目だ。 国外市場の要求と衝突安全性能向上のため、ボディーを拡幅して3ナンバーサイズとなったが、全幅1730mmという、日本の道路環境でも扱いやすい範囲に収まっている。そして質感とセンスを向上させた内外装デザインやATの5段化、さらにEJ20型2リッター水平対向ターボエンジンをシングルタービンのツインスクロールターボへと変更し、ターボ切り替え時の息つき感を解消したことで、スポーツワゴン/スポーツセダンとしてのレガシィはおおむね完成形に至った。 2003年9月に復活した3リッター水平対向6気筒エンジン搭載グレード「3.0R」は、愛好家筋からは今なお「レガシィ史上最高の名作!」と言われており、同年10月には、ランカスターから名称を変更した「アウトバック」を追加。そしてモデル末期となった2008年5月からは、今ではスバル車の代名詞になっている運転支援システム「アイサイト」も、4代目レガシィの一部グレードに初搭載されている。